「アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~」(2024)
ときめく中年女のラブストーリーをAmazonプライムビデオで観ました。
監督はマイケル・ショウォルター。予告編はコチラ。
40歳のシングルマザーのソレーヌ(アン・ハサウェイ)が主人公。20代前半で結婚してすぐ出産。弁護士になった夫が同僚と不倫・再婚して以来、女手一つで愛娘を育ててきました。LAのシルバーレイクで画廊を経営している美女ですが、恋愛はずっとご無沙汰。ある日、女子高生の娘イジー(エラ・ルービン)の付き添いで同行した野外音楽フェス"コーチェラ"で、世界的人気のアイドルグループ『オーガスト・ムーン』のリードボーカルを務めるヘイズ・キャンベル(ニコラス・ガリツィン)の専用トレーラーに間違えて入ってしまったことで、偶然の出会いを果たします。一目惚れしたのはヘイズ。アン・ハサウェイだから仕方ありません。で、その後、ソレーヌの画廊に突然やって来て、飾ってあるアート作品を全部買い上げたかと思うと、猛烈アプローチ。ヘイズのストレートな思いを受け止めたソレーヌは、自宅で熱い一夜を過ごします。翌朝、正気に返ったソレーヌはこれっきりにしましょうとヘイズに通告。ヘイズはソレーヌを忘れることができず、これから始まる欧州ツアーに一緒に来ないかと誘います。
娘がサマーキャンプで不在だということもあり、自分に正直な行動に出ることにしたソレーヌ。バルセロナ、パリ、ローマなどを巡業するオーガスト・ムーンに同行して、大スターの恋人気分を満喫。24才のヘイズにとっては軽い遊びなのかと思ったら、どうやらソレーヌへの気持ちは本物のようで、10代から安っぽいアイドル路線で脚光を浴びる生活に空虚感を持っていること、ソレーヌと一緒にいると心が安らぐことを真面目に語ります。そんなヘイズを愛おしく感じるソレーヌ。しかし、欧州ツアーの合間に南仏へのバカンスに出かけた時、自分がただのおばさんである現実を突きつけられる出来事があったため、失意のままでLAに戻ることになります。帰国後、熱愛現場の写真が芸能ニュースで報じられて、強欲ババアと叩かれるソレーヌ。遅れて帰国したヘイズは再度ソレーヌにアプローチ。一度は復縁するも、加熱する報道に滅入ってしまった娘の姿を見て、ソレーヌがまたまた決別宣言。短期間でくっついたり離れたりを繰り返した二人がしばらく冷却期間を置いてから・・・というのが大まかなあらすじ。
原題は「The Idea of You」。同名の人気恋愛小説が原作とのこと。「ノッティングヒルの恋人」(1999)のシチュエーションを男女逆転させた設定。バツイチ中年女がスーパースターと運命の出会いをして、何度別れてようとしてもずっと愛される夢のようなド直球すぎる展開。自然に年を重ねて、今もなお魅力的なソレーヌ。そんな彼女の美しさと知性と母性に夢中になるヘイズ。若いイケメンに熱烈に愛されて夢見心地になりつつ、現実とのギャップに戸惑うソレーヌ。このままでいいのかしら。。。でも、ずっと上手くいくはずがないわ。。。勝手にやってろっ!と思ってしまったら負けで、自分がアン・ハサウェイになったつもりで観ると楽しめます。ソレーヌが3度目の別れを告げた時、5年待てば今より落ち着いた恋愛ができるはずと言うヘイズ。(5年の月日は)長すぎるわと嘆くソレーヌ。すると、話は急に5年後に切り替わって、大団円のラストシーンを迎えます。スターを演じるニコラス・ガリツィンが想像以上に誠実なキャラで、一途に思い続けてそうな空気を上手く醸し出しています。歌も上手いです。