「美女と無法者」(1976)

 

ワンダーウーマンになる直前のリンダ・カーター主演映画を観ました。初見。

 

 

監督はマーク・L・レスター。予告編はコチラ

 

早撃ちショーで腕前を披露するアウトロー気取りのライル (マージョー・ゴートナー)は、ガソリンスタンドにやって来た男車を奪ってラクラクと逃走。追ってきたパトカーも転倒させて逃げ切ったライルは、ドライブインでウェイトレスをしているカントリーシンガー志望のボビー・ジョー(リンダ・カーター)に一目惚れしてストーキング。それに気づいていたボビー・ジョーは自分から車に乗り込んでデート。会った日の夜に一夜を共にします銃さばきを教わったりしてイチャイチャした後、ウェイトレス仲間エッシー(ベリンダ・バラスキー)も合流して旅に出ます。道中で出会った原住民と水浴びをして、エッシーもオッパイを披露。警察に見つかるも、また逃走に成功。やがて、トップレスバーで働いているボビー・ジョーの妹パール(メリー・リン・ロス)と彼氏のキャラハン (ジェシー・ヴィント)も仲間入り。

 

指名手配犯となった一行は、怪しい宗教集団になりすまして検問を強引に突破。キャラハンもライルに劣らない乱暴者で、夜中に泥棒しているところを見つけた警官を平気で射殺します。その後も安いモーテルを転々としながら、ガンショップを襲ったりして犯行を重ねる5人。しかし、一人だけ恋人がいないエッシーは先行きが不安になって、こっそりと警察に通報宿泊先のトレーラー包囲された様子を見て4人を助けようと飛び出したところを射殺されます逃げ切った4人エッシーを埋葬してさらに凶暴化。白昼堂々と銀行強盗をしたり、指名手配犯だと見破った民間人殺害。しかし、悪運はそう長く続かず、ボビー・ジョーが買い物をしているスキに警察に包囲された3人は抗戦むなしく次々に死亡。生き残ったボビー・ジョーが逮捕されておしまい・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Bobbie Jo and the Outlaw」。日本でも地方の一部では劇場公開されたことがあるらしいです。現在までビデオ化もされていません。ニューシネマ風に逃避行を描いた犯罪モノで、大味なアクションシーンにはそこそこのスピード感あり。犯人たちの行動は行き当たりバッタリですが、犯人を全然捕まえられない警察も、違うモーテル客を射殺してしまうお粗末ぶり。監督はのちに「コマンドー」(1985)も手がけるマーク・L・レスター。本作の最大のウリは、「ワンダーウーマン」の主演が決まる直前にリンダ・カーターがヌードになっているところで、唐突な着替えシーンから野宿でのラブシーンまで前半でサービスショットを連発。歌手経験を生かした歌声も披露スタイルの良さはさすがミス・ワールド全米代表といったところ。

 

ビリー・ザ・キッドに憧れるライル役を演じるのは、ルトガー・ハウアーとショーン・ペンを混ぜた顔つきのマージョー・ゴードナー。終盤では早撃ち対決シーンもあり。ライル役候補の二番手はシルヴェスター・スタローンだったらしく、もし実現していれば、ランボーとワンダーウーマンの夢のコンビだったかと思うと、少し残念です。ボビー・ジョーの妹役はプロデューサーも兼ねているメリー・リン・ロスで、マーク・L・レスター監督の実生活の奥さんでもあります。キャラハン役の俳優はデニス・ホッパー似。最初に死ぬエッシー役のベリンダ・バラスキーはジョー・ダンテ映画の常連さん。また、冒頭で車を盗まれる男は「メジャー・リーグ」(1989)監督役だったジェームズ・ギャモン。あと、彼らを匿うヒッピーコミューンのご主人役は、「ファントム・オブ・パラダイス」(1974)ビーフ役でおなじみのゲリット・グレアムでした。