「チャレンジャーズ」(2024)

 

テニスと恋と女と男と男の映画を新宿ピカデリーで観ました。

 

 

監督はルカ・グァダニーノ。予告編はコチラ

 

アート(マイク・フェイスト)はテニス界のスーパースターですが、4大大会の中で全米オープンだけは手にしていません。30代前半なのに全盛期は過ぎているようで、限界に近づいていることを本人も自覚しています。美人妻のタシ(ゼンデイヤ)はアートにとって欠かせないブレーンで、弱気になりがちのアートを常に鼓舞しています。全米オープン前の調整を兼ねてランクの低い大会にエントリーしたアートは、決勝戦で因縁の相手パトリック(ジョシュ・オコナー)と戦うことに。ここで、話は13年前に遡ります。アートとパトリックは12才の頃から同じプロ養成所で切磋琢磨していた無二の親友で、名コンビを組むダブルスでは全米オープンのジュニア部門で優勝したばかり。大会後に(のちにアートの妻となる)タシのパーティーに出席する二人。タシはプロデビュー前から有名企業スポンサーを持つ、将来を嘱望されたスタープレイヤーで、ルックスだけじゃなく、激しいプレイスタイルもセクシーな彼女に羨望の眼差しを向けている二人にとっては雲の上の存在。

 

パーティー後に二人の相部屋タシを誘うと、興味半分で彼女がやって来たもんですから大コーフン。そして、シングルスの対決で勝った方とデートすると言われて戦った結果は、なんと、パトリックに軍配が上がります。これを機にタシと交際を始めて、いち早くプロ入りしたパトリック。一方のアートはスタンフォード大に進学して、アマチュアとして腕を磨きます。奇しくも、プロ入りせずに進学の道を選んだタシとは同じ大学で、親友パトリック憧れの女性タシとのラブラブ交際の様子を間近で眺める日々が続きます。しかし、パトリックとタシが痴話ゲンカをした翌日にあった試合で、タシがテニス人生を絶たれる大ケガをしてしまったことで、三人の人間関係にも大きな変化が訪れることになります。そして、現在に戻って、うだつの上がらないプロ人生を送るパトリックと、下り坂に差しかかったスター選手のアートが、小さな大会の決勝戦で激突。元カレ旦那の対決を観客席の正面に居座って意味深に見守るタシ。再度相まみえた二人の対決の行方は・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Challengers」。誰を"挑戦者"と指しているのか分からない、どうとでも取れるタイトル。美女親友の男二人が奪い合う話でもあり、男二人の愛の愛を美女が引き裂く話でもあり、十数年に渡っての絶妙な三角関係を、テニスを舞台にして繰り広げるスリリングなラブコメでした。自らも製作陣に名を連ねている若手スターのゼンデイヤ(キュッと引き締まったケツが絶景)も色っぽく撮られていますが、ゲイをカミングアウトしている監督らしく、ガサツで男臭いパトリックナイーブな努力家アート二人も実にセクシーに描いてました。(ボカシありだけど)他の男子プレイヤーのイチモツも数本出てきます。また、三人のテニスのプレイ姿がサマになっているのも素晴らしいです。CGを上手く使ったラリー場面では、引きのショットからプレイヤー目線、そしてボール目線へと変化していく工夫がなされていました。時制がコロコロ変わる編集も全体のリズムと劇伴が良いため、非常に観やすいです。Amazonが製作してるため、すぐにアマプラで配信されそうですが、劇場で観ることをオススメしたい1本です。