「キャバレー日記」(1982)

 

竹井みどり主演のキャバレー奮戦記をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督は根岸吉太郎。予告編はありません。

 

新宿の歌舞伎町にあるキャバレー“ミスニッポン”。チェーン店内での全国売上ナンバーワンを目指していて、軍隊式管理に基づいたパワハラ丸出しの社員教育で日々鍛えられている従業員の和田(伊藤克信)の労働は過酷を極めています。ホステスとの交際どころか、同じ喫茶店や電車に居合わせても、見つかったら即鉄拳制裁。自衛隊のレンジャー部隊出身の福永課長(北見敏之)には到底逆らえません。河本店長(上田耕一)の柔らかい物腰の裏に潜む執念も不気味です。こんな職場で絶対働きたくありませんが、ホステスの宏美(竹井みどり)に想いを寄せてることだけが生きる糧になっています。夏のボーナスシーズンを迎えた同店ホステス達さらなる過剰なサービスを要求して、売上促進に勤しんでいます。ちなみに、ホステスの源氏名はみんな芸能人由来で、宏美のフル源氏名は岩崎宏美です。

 

しばらくすると、店内売上ナンバー2の桜田淳子の無断欠勤が続くようになって、福永課長もずっと出社しなくなります。二人は以前から付き合っていて、淳子のお腹に福永の子を宿したため、揃って足を洗おうとしていたのでありました。さらに、福永は宏美にも手をつけていたことが判明。課長自らが店の掟を破っていたことを知ってショックを受けた和田は、係長に任命されるもサボりがちになります。そんな折、職場復帰してきた淳子。生活資金が無くなった福永は宏美にも金を無心してきたため、河本店長は見つけ出した福永を店に連れてきて男性従業員に殴らせて制裁を加えます。そして、店舗売上が全国2位に終わったことが発表された夜、宏美に誘われた和田は店内で一夜を共に過ごします。翌日の昼過ぎ、店長に起こされて目覚めた時、宏美が荷物をまとめて東京を去ったことを聞かされて・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1982年6月25日。併映作品は「白薔薇学園 そして全員犯された」と「セックスドキュメント 器具販売人」。従業員経験があるルポライター和田平介の原作を映画化。昭和臭がプンプン漂う風俗店で働く人たちの人間模様を描いた日活ロマンポルノの秀作。主演は竹井みどり。シャープな顔つきで好きな女優さんでしたが、現在は表舞台には出られてないようです。キャバレーの人気ホステス役で麗しい姿を披露してくれています。実質的な主役は伊藤克信(彼が出演しているので、森田芳光監督作品だとずっと勘違いしていました)で、竹井みどりに憧れるキャバレーの従業員の役。いわゆるピンサロをさらに過剰にしたようなキャバレーで、好きな人性奉仕する環境であくせく働くさまが滑稽で切なかったです。宏美が和田に(一時的にでも)心を許す流れは、男性向け映画ゆえの都合のいい展開とは思います。1980年代の歌舞伎町映像も貴重な作品でございました。