「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(2023)

 

鬼太郎誕生につながる物語をAmazonプライムビデオで観ました。

 

 

監督は古賀豪。予告編はコチラ

 

鬼太郎を取材すべく、廃村となっている哭倉村に訪れた雑誌記者の山田。猫娘、目玉おやじと一緒にいる鬼太郎につきまとって取材しようとしている時に次々と妖怪が現れてビックリしてるうちに、時代が昭和31年に遡ります。政財界に君臨する龍賀一族の当主、龍賀時貞が死去。東京の帝国血液銀行に勤める水木は、龍賀製薬社長の龍賀克典に会うために哭倉村に行きます。時貞の長女の婿で次期当主候補と目されている克典に誰よりも早く挨拶することで、ビジネスチャンスを拡大して会社内の地位を高めることが目的。山奥の辺鄙な土地にある哭倉村に到着した水木は、龍賀沙代と彼女のいとこの長田時弥に出会います。龍賀家の邸宅に向かうと、時貞の遺言が弁護士から発表されようとしていて、一族が集まる中、引きこもりの長男・時麿が当主に指名されます。

 

いきなり思惑が外れる水木。それ以降、次々と殺人事件が発生。その容疑者の一人として、水木が村に向かう途中で出会った謎の男が捕まります。監視担当となった水木は、名無しの男を"ゲゲ郎"というニックネームをつけます。やがて、不可解な言動をしているゲゲ郎は人類よりも先に地球で生きていた『幽霊族』の生き残りで、哭倉村付近で行方不明になった妻を探していることが分かります。ゲゲ郎の影響でなぜか妖怪を見る力がついてきた水木。実は、龍賀製薬が独自処方で生産している血液製剤『M』の秘密を探りに来ていました。ゲゲ郎と共にそれぞれの目的を果たすために、水木を慕っている沙代の協力を得て龍賀一族の身辺調査をしているうちに、絶大な支配力を持つ一族の恐るべき真相ぶち当たって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は2023年11月17日。水木しげる生誕100周年を記念して作られた作品。「墓場鬼太郎」の前日譚となるストーリーだそうで、そちらのアニメと一緒に観ました。「犬神家の一族」を連想させる土着的な因習の世界で生きる龍賀一族の栄光の裏にある真実が、幽霊族の秘密の解明、目玉おやじや鬼太郎の誕生へとつながっていく展開。鬼太郎、目玉おやじ、猫娘は冒頭と最後で描かれる現在のエピソードで登場するのみ。戦後日本の暗い側面を捉えたシリアスな内容で、水木しげるの諦観した無常観からくるユーモラスさはほとんどありません。ちなみに、自分の記憶に最も残っている鬼太郎はアニメ第2期(1971-1972)とされているバージョンで、再放送を観て鬼太郎やその他のキャラクターイメージを刷り込れました。第3期(1985-1988)も吉幾三が歌うOP曲だけは知っているかな。マンガもどれかのバージョンを読んでいて、落っこちた目玉が目玉おやじになった話を知っている程度。鬼太郎初心者クラスの私でも楽しめる大人向けの映画でございました。