「ハワイアン・ドリーム」(1987)

 

「チ・ン・ピ・ラ」の続編的作品を観ました。初見。

 

 

監督・脚本は川島透。予告編はコチラ

 

ハワイ・ホノルルで現地人のフリをして日本人観光客相手インチキドラッグを売りつけて過ごしている達彦(時任三郎)翔史(ジョニー大倉)。日本からやって来て数年経ってるようです。彼らの行きつけの日系バーに入り浸っている日系二世の島村(殿山泰司)と大原(多々良純)、ロレンス(ディーン・ターナー)といった老人とは友人で、バーのママで現地ラジオでDJもやっているシングルマザーレイコ(桃井かおり)翔史の恋人。達彦の恋人は日系のカレン(タムリン・トミタ)で、NYでの成功を夢見てダンサー修行をしているカワイコちゃん。ある日、彼らを麻薬の売人だと目をつけているピアス警部(G・W・ベイリー)から、不法滞在していることを黙認する代わりに、地元の名士ぶっている悪人ルディ・モラン(ヴィンセント・バケッタ)に犯罪の尻尾を出させるように脅されます

 

従わなければムショ行きか強制送還になる二人が仲良し老人3人組に相談すると、ノリノリで協力するというんで作戦実行を決意。恋人の身の危険を察したレイコが結婚して永住権を手にして一緒に暮らそうという誘いを断って、達彦との腐れ縁の友情を優先する翔史。達彦もなけなしの金をNY渡航資金としてカレンに渡して、夢を叶えろよと別れを告げて退路を断ちます。世界的タバコ会社の太平洋エリア支配人とモランの密談を盗聴して、会社の負債をカバーするために大量購入した畑で栽培したマリファナを密売しようと企んでいる情報を入手した達彦と翔史。取引現場に乱入して現金を強奪しようとする作戦の途中で仲間の死もあったりしますが、なんやかんやでモランに一泡吹かせることに成功。ついでに警察も出し抜いて、ゲットした現金を持ったまま逃亡することにした二人の運命は・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1987年8月29日。1980年代の日本映画界で一時代を築いた川島透監督作品。とにかく、ハワイロケ映像を満喫する映画。陽光のハワイにいることの開放感と、お気楽な無職でいることの開放感、先行きが不確定なことを除けば、当面暮らしていくには困らない生活。自分を好きでいてくれる恋人。ちょっとだけサスペンス色のあるストーリーを添えて、極楽気分でゴキゲンな日々を地元民として追体験する映画かと思います。主人公二人をテキトーに楽しく生きやがってと思ってしまったら負けです。悪党とのカーチェイスを経て無事に逃げ切った二人が、その後どうなったのかもあまり深く考えてはいけません。オープニングクレジットで流れる竹内まりやの『夢の続き』が素晴らしくて、ここが映画のピークかもしれません。劇場公開時にTVCMで飽きるほど聞いた記憶を思い出しました。DVD化できないのは、全編で流れる洋楽の権利問題なんでしょうかね。