「ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!」(1974)

 

ドリフ映画の第14作目をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督は渡辺祐介。予告編はありません。

 

昭和の東京下町。女房に先立たれた中年男の黒木長作(いかりや長介)は、現在は5年浪人中の一作(加藤茶)と高校生の花子(沢田雅美)との三人暮らし。イヤミな部長(仲本工事)とのんびりヒラ社員(高木ブー)もいる会社の万年係長です。絶世の美女だと紹介された再婚相手候補もバツ2のおばちゃん(菅井きん)でガッカリ。ルバング島での生き残り者同士の戦友である源さん(佐野浅夫)の店で一杯やりながら、戦中話に花を咲かせるのが唯一の楽しみ。一作は予備校に通うフリをして、プロを目指すバンドのドラマー活動に夢中。バンドデビューに必要な100万円を調達するために、友人(志村けん)にそそのかされて父親の勤め先の社長にデマカセを言って退職金の前借りをすることに成功。

 

一方の長作は、部長に連れられて行ったスナックのママ(篠ヒロコ)に一目惚れ。やがて、資金繰りに困っているママのために退職金の100万円を前借りしようと決意。そこで前述した一作の悪事が発覚します。ミュージシャンになりたい一作とは大ゲンカ。そして、ママは弟(森田健作)のサポートによって昔の恋人と元サヤに戻ったので結局はフラれます。さらに大親友の源さんが急死して愕然とした長作は遺書を残して自殺を図りますが、何をやっても失敗ばかり。すっかり気落ちした状態で一作のデビューコンサートを見に行くと、そこには満員の観衆の前でがんばっている息子の姿があって・・・というのが大まかなあらすじ。


劇場公開は1974年12月28日。「男はつらいよ 寅次郎子守唄」の併映作品。ドリフの映画は初めて観ました。志村けんはまだサブキャラで、いかりや長介と加藤茶がメインで進行。最終的に息子の意志を尊重する松竹くさい人情喜劇。正月映画の添え物としてのちょうど良さがあります。チョイ役に芦屋雁之助が出演。ゲストには渡辺プロダクションの人気歌手が登場。スナック開店を祝う近所の女の子として天地真理が『木枯らしの舗道』を歌い、一作のコンサートの前座でキャンディーズが『なみだの季節』を歌い、長作と源さんが戦地を妄想するシーン(たこ八郎の姿も)でアン・ルイスが『フォー・シーズン』を歌います。特に、アン・ルイスがとびきりキュートでした。