「インパルス」(1990)

 

女性囮捜査官のクライムサスペンスをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はソンドラ・ロック。予告編はコチラ

 

LA市警のロティー(テレサ・ラッセル)囮捜査官カーラという名の売春婦になりすまして、鼻の下を伸ばした男を誘惑して検挙。アブナイ目に逢う可能性もあり、どさくさに紛れて乳を揉むようなセクハラ上司にもウンザリしながら、危険と紙一重のスリルに興奮している淫らな自分がいることを感じる日々。ある日、大物ギャングの裁判に必要な証人を探しているスタン検事(ジェフ・フェイヒー)の案件に加わることになります。重要な二人の証人のうち、一人は確保済で、もう一人は逃亡してNYで100万ドルを奪う事件を起こしていました。その男の足取りを掴むために囮捜査を堂々とするロティーに惹かれたスタンは、しばらくしてロティーと恋仲になります。次の囮捜査で麻薬密売人に正体がバレて殺されそうになった危機を間一髪で回避したロティー。助けが遅れたスタン達ブチ切れて夜の街に消えていきます。

 

ムシャクシャしてドライブしていたら車のタイヤもパンク。修理に出している間にバーで酒をかっ食らっていると、金を持ってそうなイケオジに誘われたため、彼のビバリーヒルズの豪邸にホイホイとついていきます。コイツがスタンの追っていたもう一人の証人ペロンでした。そうとは知らずに二階のバスルームで気を落ち着かせていた時、一階で銃声が鳴り響きます。ペロンの死体を見て焦ったロティーは警察に通報後、ペロンが持っていた駅のロッカーのカギを咄嗟に手にして逃走。ロッカーには100万ドルの現金がありました。警察は通報者の捜索を全力で開始。翌日、スタンの自宅で一夜を過ごしたロティーは、自分がその通報者だと告白することができないでいます。やがて、スタンは電話の声の主がロティーであることを確信。素直に自白したロティーを囮にしてペロン殺害犯をおびき寄せる作戦を実行するのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Impulse」。"衝動"といった意味。配信されていた映像は、ビデオリリース用に左右がトリミングされていて画質も悪かったです。長年付き合っていたクリント・イーストウッドとの破局話が浮上していた頃に、ソンドラ・ロックが手がけた初監督作品。売春婦の囮捜査をしているうちにオンナに目覚めていくテレサ・ラッセルの中年女風情がとても良く、冒頭の夜を徘徊する売春婦姿にはウットリ。犯人に追われて銃を撃ちまくるシーンもなかなか。撮影はディーン・セムラー。ただ、犯罪捜査描写部分がピリっとせず、女性としてのアイデンティティに揺らぐ主人公の心理描写と両軸で描こうとしている仕掛けが上手くいっていません。出てくる男どもがスタン検事も含めて全員木偶の坊に見えるのも、なんだかなあという感じ。どうでもいい意外な真犯人判明後にユルいハッピーエンドで終わる微妙な映画でございました。