「バタリアン」(1985)

 

コミカルなゾンビ映画の古典をU-NEXTでひさびさに観ました。

 

 

監督・脚本はダン・オバノン。予告編はコチラ。水野晴郎の解説はコチラ

 

ケンタッキー州ルイビルのユニーダ医療会社に就職したフレディ(トム・マシューズ)は、先輩社員のフランク(ジェームズ・カレン)から「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)は実話を基にした映画であることを聞いてビックリ。さらに間違って軍から届いたゾンビが会社の倉庫に保管されている事を聞かされます。社長不在をいいことに、地下の倉庫にあるゾンビ入りの容器をフレディに見せびらかしていたところ、叩いた容器から突然ガスが噴き出します。ガスの正体は死体を蘇らせる「トライオキシン245」という物質でした。倉庫にあった標本の、死体保管所の人間も蘇ります。とんでもないことをしたことに気づいたフランクとフレディ社長(クルー・ギャラガー)を呼び出して相談すると、ゾンビを秘密裏に始末するしかないと判断して、保管所から蘇ったゾンビを3人がかりで取り押さえてツルハシで脳を破壊。しかし、ゾンビは死にません。映画と違うじゃないかと叫んでる場合じゃないので、頭を切り離した後死体をバラバラにして、近所の葬儀場で焼却することにします。


葬儀屋アーニー渋々引き受けると、葬儀屋の煙突から出てきた煙がさらなる災いを起こします。運の悪いことにこの日は雨。煙に紛れたトライオキシン245の混じった雨水が近くの墓地の土に染み込んで、土中の死体が次々とゾンビになって這い出てくるではありませんか。墓地ではフレディの恋人ティナがいるマイルドヤンキー集団がヒマを持て余して遊んでいました。全裸で浮かれる女の子も。一方の葬儀場では、ガスを吸い込んだフランクとフレディも体調がおかしくなっています。救急隊を呼ぶと、体温は20度台、血圧と脈拍はゼロ。しゃべってる以外は死んでいるも同然。帰ろうとした救急隊員が墓地から出てきたゾンビに襲われた頃、マイルドヤンキー達ゾンビに追われて葬儀場に駆け込んできますゾンビは生きた人間の脳ミソを食いたいとしゃべります続々と侵入してくるゾンビ手持ちの武器で格闘するうちに、フランクとフレディもゾンビになって絶体絶命のピンチ。あわててゾンビ容器に書かれていた軍の電話番号に連絡をするものの・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「The Return of the Living Dead」。"ゾンビの帰還"です。邦題は"大群"という意味なんですね。大昔に観ただけなので、面白かったことと墓地とオッパイしか覚えていませんでした。というか、「スペース・バンパイア」(1985)と混同していたことに途中で気づきました。。。この映画は真実だけを描いているというテロップに続いて、トラブルが発生してゾンビが復活しました!となってオープニングクレジットが流れる導入がCOOL。勝手に容器を叩いたフランクは自業自得だとしても、せっかくマジメに就職したその日にゾンビに襲われて、自分もゾンビとなってしまうフレディ君が不憫です。そもそも民間企業にゾンビを誤配送する軍部がいけません。ゾンビのお約束事を破りっぱなしゾンビだらけになって地元警察の対応も困難な事態になったルイビルの街。軍部はルイビルに核ミサイルを撃ち込んで被害を最小限に抑えるというザツな荒療治を敢行します。今回改めて観て妙に怖かったのが、黄色いゾンビが突進してくるシーンとタテに切断された犬が生き返ったシーン。1980年代風のBGMも懐かしさを想起させる快作でございました。