「暗闇でドッキリ」(1964)

 

クルーゾー警部の活躍(?)を描いたコメディをAmazonプライムビデオで観ました。初見。

 

 

製作・脚本・監督はブレイク・エドワーズ。予告編はコチラ

 

パリの大富豪バロン邸で起きた使用人の射殺事件を担当することになったクルーゾー警部(ピーター・セラーズ)。さっそく邸宅に乗り込んでいろいろドジを重ねてるうちに上司のドレフュス本部長(ハーバート・ロム)がやって来て、担当を外されます。なぜか担当に復帰したクルーゾーは、バロン邸のメイドで第一容疑者のマリア(エルケ・ソマー)の尋問を開始。犯行現場で銃を持っていたマリアに邸宅で会った時から惚れているクルーゾー彼女の無実を確信。誰かをかばっているはずと思い込むクルーゾーはマリアを釈放して、泳がせて真犯人をあぶり出す作戦を実行。すると、また殺人事件が起こって、またマリアが現場で凶器を手にしていました。それでも、捕まえたマリアを釈放するクルーゾー。バロン(ジョージ・サンダース)にお前が犯人だと決めつけますが不発に終わります。


やがて、メイド仲間ドゥドゥと一緒にマリアが遊びに行ったヌーディスト・キャンプに向かったクルーゾーは、当然全裸になって潜入捜査。マリアを見つけると、近くでドゥドゥが何者かに殺されています。やがて、後を追ってきドレフュス本部長以下の警察から逃げるようにマリアと全裸のままでヌーディスト・キャンプから脱出。全裸のままでパリの市街地をドライブすると、渋滞に捕まって、二人も警察に捕まります。懲りないクルーゾーはマリアを愛するあまりに嫉妬する男の犯行だと推理。犯人を嫉妬させるために自らがマリアとデートする作戦を開始。犯人がクルーゾーを殺そうとしますがなかなか仕留められず、周りの人が巻き添えを食らって死んでいきます。自宅爆破からも生き延びたクルーゾーは、最終手段としてバロン邸に乗り込んで、真犯人も分からないままに迷推理を演説するのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「A Shot in the Dark」。"暗闇でバキュン"といった意味ですが、邦題もオシャレです。共同脚本は、この当時に監督とタッグを組んでいたウィリアム・ピーター・ブラッティ。宝石『ピンク・パンサー』をめぐる正統シリーズの話ではない番外編。小洒落たアニメのオープニングや、ドジな主人公がデタラメな行動で失敗ばっかりしつつ、なんやかんやあって事件を解決してしまう展開等、のちのシリーズのフォーマットが確立された感じで、クルーゾー警部を芸達者ピーター・セラーズ真顔でボケ倒しているのを楽しめるかどうかが面白さの分岐点。クルーゾーの無能ぶりにいら立つドレフュス本部長や、クルーゾー宅の使用人ケイトー(バート・クウォーク)が初登場したのも本作。不意打ちを狙うケイトーと真っ向勝負を挑むクルーゾーの名コンビが微笑ましいのは間違いないです。あと、ヒロイン役のエルケ・ソマー横顔がやたら美しかったです