「ゾンビタイガー 狂虎襲来」(2022)

 

ゾンビ化した大量のタイガーと戦う中国産時代劇をU-NEXTで観ました。

 

 

監督はリウ・ウェンプー。予告編はコチラ

 

時は明朝時代。王の代わりに権力を手にした宦官たちがのさばっています。宦官ということもあって、ちょっとジェンダーレスな雰囲気のパンという暴君が永遠の地位を求めて医師に不老不死の薬を開発させています。虎が生息する森に狩猟場を作って、捕獲した虎の心臓を取り出して調合する実験をした結果、『金丹』という奇跡の薬が完成。と思ったら、実験台となった虎の体内に奇妙なウィルスが増殖して凶暴化。ゾンビ化した虎たちが次々と人々を襲いはじめるではありませんか。死体の山が築かれていく狩猟場。ちょうどその頃、皇帝直属の秘密警察"錦衣衛"の一員として政府への反逆行為をした高官ヤンを暗殺する任務の途中で、チャン・リウチョン(シェー・ミャオ)が謀反を起こして脱退。高官の一人娘を連れて逃走します

 

二人が向かった目的地は、リウチョンの弟が任務に就いている狩猟場のある町。弟の行方が分からずに困っていたところ、狩猟中に虎に襲われて弟が死んでしまったことを、かろうじて生き延びた弟の相棒から聞きます。その相棒とも一緒に行動をしようなんてしているうちに、周りを凶暴化した虎に囲まれてしまいます。100頭近くにまで増殖していたゾンビタイガーが町の住人たちをほぼ皆殺し。狩猟場のハンターたち太刀打ちできません。リウチョンたちは近くの宿場にいた踊り子たち等を連れて、虎が群がっている地域からの脱出を試みます。どさくさに紛れて宦官が大事に保管していた『金丹』を盗み出したリウチョンは、ゾンビタイガーからも宦官一味からも追われる身となって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「狂虎危城」。英題は「Mutant Tigers」。主演のシェー・ミャオは以前観た「盲剣楼」(2022)がチャンバラ活劇の良作でした。常に眉をひそめる凄腕剣士と弟との二役で、弟の相棒だったクールビューティー、彩り要員として生き残った踊り子たちを配して奮闘。水を恐れるという弱点を見つけたクレバーさも見せつけますが、人間よりもゾンビタイガーの方にどうしても目が行ってしまいます。CG丸出しではあるものの、物量作戦の迫力はかなりのモノ。特に、続々と城壁をよじ登るシーンは今後も他の映画で目にすることはないであろうと思えます。なお、「盲剣楼」でも悪役だったシャン・ハオが悪党宦官パンの腹心の部下として出演。こっそり金丹を飲んだらゾンビになってしまい、クライマックス吊り橋ゾンビタイガーと共に襲いかかります。不老不死になれるといっても、ゾンビになるのは勘弁してもらいたいです。