「ベスト・オブ・ザ・ベスト3 蘇える狼」(1995)

 

人種差別に立ち向かう第三弾をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

製作・監督・主演はフィリップ・リー。予告編はコチラ

 

アメリカの片田舎リバティという町にいるネオナチ集団が黒人牧師を拉致して、現場リーダーのハンセン(マーク・ロルストン)が撲殺、ついでに教会も焼き討ちケーブルテレビでは、指導者(R・リー・アーメイ)が白人の優位性を主張するメッセージを発信していて、触発された地元の白人オーウェンネオナチに入信します。ちょうどその頃、ご存じトミー・リー(フィリップ・リー)がこの街に住む妹と義理の弟を訪ねてきました。買い物中に襲われるわ、週末イベントでも絡まれるわで、街の異様さを察するトミー。武力で対抗したトミーに注意した小学校教師をしているマーゴ(ジーナ・ガーション)ホームパーティーで再会して、ちょっとイイ雰囲気になる二人。しばらくして、郊外の土地をネオナチ集団に売却すべきかどうかの公聴会を開催されて、マーゴをはじめとした良識ある住民が演説をぶちかまして町議会は売却を却下。ブチ切れたネオナチ集団の行動はさらにエスカレート。

 

ネオナチ集団は大量の武器を購入して、武力行使に異を唱える指導者を粛清して抗争の準備を整えます。まずはマーゴの自宅を襲ってレイプ寸前。間一髪トミーが救出して妹の家に戻ると、こちらにも集団の魔の手が送り込まれていて、子供たちが拉致されていました。怒りが頂点に達したトミーは義弟の保安官ジャック(クリストファー・マクドナルド)と共に、集団のアジト潜入を決意。爆薬庫をところかまわず爆破しながら子供を救出。ジャックは銃弾を受けながらも助けに来たマーゴの車に乗ってアジトからの脱出に成功。トミーはほぼ無傷で集団の反撃を交わしてハンセンと一騎打ちトドメを刺さずにいたトミーを背後から襲ったハンセンを銃殺したのは、目が覚めたネオナチ集団のオーウェン。他のメンバーもいきなり改心して、ネオナチ集団は解散となります。こうして、ようやく町に新たな平和が訪れて・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Best of the Best 3: No Turning Back」。サブタイトルは"後戻りできない"といった意味。エリック・ロバーツが脱落して製作のフィリップ・リーがいよいよ単独主演。さらに監督も自身で務めています。本作の敵は黒人、アジア人を蔑視する人種差別集団。「肌の色は俺たちの制服だ!」とほざく現場リーダーが地元で鬱屈している白人を煽って暴力集団を形成。ただし、敵側のネオナチの対応がザルなので、難なくアジトを突破する安直な展開をハデな爆破でごまかしています。フィリップ・リーの顔のアップ多めのアクション演出はいたって平凡。「ショーガール」(1995)でブレイクする直前のジーナ・ガーションが闘うヒロイン役で活躍。バズーカ砲スルーする大ピンチあり。自作自演で自制しているからなのか、彼女とのラブシーンはありません。あと、「E.T.」(1982)でお母さんを演じていたディー・ウォレスがネオナチに入信するオーウェンの母親として前半だけ登場。ネオナチ指導者役のR・リー・アーメイはなぜかノンクレジット。IMDBスコアで6.4→ 5.6→4.8と、シリーズを重ねるにつれて順調にダウンしているのが極めて妥当だといえる第三作でございました。