「ロッキーⅥ」(1986)

 

スタローンとは関係ない8分の短編をU-NEXTを観ました。

 

 

監督はアキ・カウリスマキ。予告編はありません。

 

旧ソ連の片田舎のデブが何者かに拉致されて、いきなりボクサーにされてしまいます。そこに、アメリカからガリガリのロッキーソ連に入国。デブとガリガリのボクシング対決が行われるようです。ロッキーが黙々とトレーニングする中で、レストランで美食を味わう取り巻きの者たち。デブの宿泊部屋でも同泊している男たちが食べるだけで、デブは食べさせてもらえません。そして、試合当日。体格の差は明らかで、開始早々からデブボコボコにされるロッキー数ラウンド後ノックアウトリングに倒れたままのロッキーを目の前にして、まだ血気盛んなデブレフリーに矛先を向けて試合は収拾がつかなくなり・・・というのが大まかなあらすじ。

 

バリバリ商業主義のハリウッド大作を揶揄する思いもあるのかもしれませんが、アクション活劇が撮れる才能があるわけでもないので、いつものカウリスマキっぽい、しょぼくれたボクシングのスケッチをサラっと作っている感じで、取り立てて持ち上げるような代物ではありません。餅は餅屋ということでしょうか。ソ連陣営のマネージャーの1人でマッティ・ペロンパーが出演。ほかに、鋳物工場の労働者が昼休みにリュミエール兄弟の『工場の出口』を鑑賞するだけの「Valimo」、ポルトガル北西端のビコ村の風景と村民たちの暮らしを淡々と描く「Bico」の2本も配信されていました。