「REBEL MOON: パート1 炎の子」(2023)

 

「七人の侍」(1954)っぽい話に「スター・ウォーズ」(1977)風味をまぶしたスペースオペラをNETFLIXで観ました。

 

 

監督はザック・スナイダー。予告編はコチラ

 

銀河系のどこかが舞台。征服を繰り返した歴史で成り立っている軍事帝国"マザーワールド"はイッサ王女ら王家の者を暗殺して、高官バリサリウス(フラ・フィー)が実質的な支配をしてるようです。その部下のノーブル提督(エド・スクライン)率いるインペリウムの艦隊が反乱軍との戦いの最中に、惑星ヴェルトで平和的に暮らす農民たちのコミュニティにやってきて収穫物を寄こせと強要。抵抗したリーダーが抹殺されて住民たちは従わざるを得なくなります。それに反旗を翻したのが、コラ(ソフィア・ブテラ)という女性。彼女はイッサ王女に仕えたことがある元インペリウムの兵士で、現在はヴェルトに身を潜めていました。パワハラ三昧のインペリウムの連中をボコボコにした後に、イケメン農民のグンナー(ミキール・ハースマン)を引き連れて、圧制からヴェルトを守ってくれる戦士軍団を結成するために旅に出ます。

 

最初に訪れたスター・ウォーズの酒場みたいな場所で人探しを開始。因縁をつけてきたならず者と銃撃戦を展開した後、助太刀してくれたハン・ソロ風の密輸業者カイ(チャーリー・ハナム)が戦士探しの協力を申し出ます。その後、獣を操れるタラク(スタズ・ネアー)とサイボーグ剣士ネメシス(ペ・ドゥナ)をスカウトした後、インペリウムと対立しているブラッドアックス族の戦士たちも仲間に引き入れることに成功。そして、当初の目的であったタイタス将軍(ジャイモン・フンスー)を探し出して、戦闘指揮を依頼。彼はインペリウムの元将軍で、軍事革命によって地位を奪われていました。こうして、それなりのメンバーを集めることができた矢先、カイが裏切者だったことが発覚。包囲したインペリウムの軍勢と死闘を繰り広げます。ノーブルとの直接対決を制したコラと生き残ったメンバー達は守るべき惑星ヴェルトに戻っていくのであった・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Rebel Moon: Part One – A Child of Fire」。"反逆者の月"といった意味で、コラが住む惑星ヴェルトを指していると思われます。「七人の侍」ファンを公言するザック・スナイダーが、野武士の略奪に怯える農民が武士をスカウトして村を守ってもらうという設定をそのままいただいて、スペースオペラ調にアレンジして作った内容。たぶん、パート2ではヴェルトを襲撃するインペリウムとの戦いがクライマックスになるんでしょう。知らないワードがポンポンと飛び交うので舞台設定を理解するのにちょっと苦労しますが、話自体はいたってシンプル。いろんなルックスの宇宙人が出てくるし、ハデなドンパチもあるので、ボーっと見ていても楽しむことができます。戦うことを忘れて惑星ヴェルトで雑用担当として暮らしている元戦闘用ロボットが思わせぶりに何度か出てくるので、パート2で覚醒する見せ場があるのかな。仲間を集める過程のワクワク感の時点ですでに「七人の侍」に劣っていますが、来年4月配信となるパート2にも引き続き期待。IMDBトリビアによると、当初ノーブル提督役はステイサムがやる予定だったようです。