「ナンズ・オン・ザ・ラン 走れ!尼さん」(1990)

 

エリック・アイドル主演のコメディをAmazonプライムビデオで久々に観ました。

 

 

監督はジョナサン・リン。予告編はコチラ

 

強盗団の一員として働くブライアン(エリック・アイドル)とチャーリー(ロビー・コルトレーン)のボンクラ二人組。新しいボスのケイス(ロバート・パターソン)とソリが合わずに離脱を考えていたところ、先に足を洗おうとした男が見せしめで殺害されたんでビックリ。死体の後始末をさせられて、ブラック組織から辞めるのを泣く泣く断念する二人。どこぞの芸能事務所よりも極悪です。次のヤマである中国系犯罪組織への襲撃計画に参加。他のメンバーがモタついてる間に、2つのアタッシュケースに入った大金を横取りすることに成功。敵味方で路上での銃撃戦が始まったので、近くの建物に逃げ込んだところ、そこは修道院でした。外には警察もやって来て、出るに出られなくなった二人は修道服を見つけたんで、急場しのぎで尼さんに成りすますことにします。

 

口からデマカセで修道院に潜り込むことに成功して、修道院が運営する女子大の臨時講師やらされたりする二人。騒動が収まった頃にブラジルに高飛びするつもりですが、ブライアンは最近付き合い始めた彼女のフェイス(カミーユ・コドゥリ)が銃撃戦に巻き込まれたと聞いて、気が気じゃありません。やがてフェイスも修道院にやって来ますが、ブライアンは犯罪者であることを白状して別れ話を切り出します。しかし、懺悔室で自分への愛を語るフェイスを見て気持ちが揺れます。そうこうしてるうちに、強盗団のおっさんであることが修道女たちにバレてしまいますケイスにも居場所がバレたんで、現金入りのアタッシュケースと共に盗んだ車で空港に直行して高飛びをという前に、病院に戻っていたフェイスを迎えに行く二人。二人の命を狙うケイス一味と、なぜか追いかけてくる修道女たち。果たして、ブライアンとチャーリーは逃避行に成功するのか・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Nuns on the Run」。小悪党の主人公が変装して逃げる展開は、「お熱いのがお好き」や、2年後に公開されて大ヒットした「天使にラブ・ソングを…」と似ています。チャーリー役は当初予定していたマイケル・ペイリンが別仕事でキャンセルしたため、ロビー・コルトレーンに代わったとのこと。昔VHSビデオで観て以来。「逃走中の修道女たち」という直訳邦題でAmazonプライムビデオの配信が開始されていました(同じハンドメイド・フィルムズ製作「バンデットQ」も配信中)。再見して、やっぱりなんてことのないバカバカしい内容であることを再認識。ジョン・クリーズ主演の「ワンダとダイヤと優しい奴ら」(1988)ほどのクオリティはないけど、ヒロインがド近眼だったり、女子更衣室デレデレしたり、逃亡中に配管こんなことになったり犯人と間違えられたナース脱がされたり、分かりやすい喜劇のお約束がところどころにまぶされていて、サラっと楽しめる仕上がり。

 

ロンドンのサラリーマンのランチタイムかなと思わせておいて、銀行強盗をする前の待機時間であることが分かる冒頭の描写は気が利いています。銀行強盗中に流れ弾が当たって、一味の一人がアッサリ死亡するテイストは往年のイーリングコメディ風味。女装がバレるかどうかのドタバタがしばらく続いてから、潜伏先に競馬で大金をスッてしまったアル中の修道女がいたため、資金繰りに困っていた修道院がブライアンとチャーリーが落としていったアタッシュケースのお金を神のお恵みとばかりに補填資金に充てるハッピーエンド。もう一つのアタッシュケースを持って空港にたどり着いた三人は、空港が厳重警備体制であることを知って、フェイスだけを飛行機に乗せて高飛びを断念したかと思ったら、最後は客室乗務員に変装して無事逃走に成功するというありえないハッピーエンドで映画は終わります。修道女ナース、客室乗務員といった世界三大コスプレを堪能できる(ただし、おっさん)陽気なコメディでございました。