「モア」(1969)

 

ミムジー・ファーマーのいけないドラッグムービーをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督・脚本はバーベット・シュローダー。予告編はコチラ

 

数学の道を捨てて、自分探しの旅に出ようと思い立ったドイツ人大学生ステファン(クラウス・グリュンバーグ)ヒッチハイクでパリにやって来て、チャーリーという男と仲良くなって、若者が集まるパーティーに出向いて夜をエンジョイします。すると、ひと際目を引く美女を発見。エステル(ミムジー・ファーマー)という仲間内では有名なアメリカ人女性のようで、チャーリーからはアイツには手を出さない方がいいよと忠告されます。そう言われると余計燃えるのが人間というもの。アプローチしたら意外にアッサリと食いついたぞということで、スペインのイビサ島へのバカンスに出かけた二人。素晴らしい景色に囲まれて、全裸ラブラブ気分を満喫します。

 

ただし、エステルの周辺にいるウォルフ博士が気になります。エステルを愛人として囲ってるんじゃないかと疑いますが、島のヘロインビジネスを一手に引き受けてる商売人で、エステルをヘロインの常連ユーザーとしてカモにしているだけのようでした。逆にウォルフからヘロインを大量に盗んできて、一緒に楽しもうと言い出すエステル。互いに重度患者になるのはヤバイからやめようぜと拒むものの、ちょっとだけならと二人でやりだすと、案の定ヘロイン中毒になっていきます。ウォルフの手下たちにヘロインを奪還されて、しばらくは中毒症状が治まった二人。でも、中毒地獄から抜け出すことはできず、破滅の道へと進んでいって・・・というのが大まかなあらすじ。
 

原題は「More」。バーベット・シュローダーの長編映画デビュー作。脚本にはポール・ジェゴフの名も。当時のカウンターカルチャーシーンを象徴する"自由恋愛"と"ドラッグ"に興じて堕ちていく若者の様子をイキイキと描いています。薬物使用場面では実際のブツを使っているらしく、マリファナLSDヘロインの摂取シーンをやたらと念入りに撮っているのが特徴。大学からドロップアウトした青年が魅力的なヒッピー女性と出会って、に至るまでずっと快楽に耽るだけの内容で、ネストール・アルメンドロスの撮影によるイビサ島美しい自然と、その自然より美しいミムジー・ファーマーを堪能する映画ということに尽きます。それほど官能的な体つきをしてるわけじゃないけど、あっけらかんヌードを披露するミムジー・ファーマーちょっとした表情フォトジェニックで、なにげない仕草画になりますカジュアルファッションも魅力的。ちなみに、初めて映画音楽を手がけたピンク・フロイドの楽曲はそれほど流れません。