「ハート・オブ・ストーン」(2023)

 

ガル・ガドット主演の大味アクション映画をNETFLIXで観ました。

 

 

監督はトム・ハーパー。予告編はコチラ

 

レイチェル(ガル・ガドット)は英国MI6にIT部門で新たに雇われた部員。あるミッションで実行部隊のパーカー(ジェイミー・ドーナン)ヤン(ジン・ルージ)ベイリー(ポール・レディ)と共に現場での諜報活動を初体験。戦闘能力のないレイチェルは隠れて救助を待つはずでしたが、3人に分からないように急に別行動をし始めます。実は、レイチェルは『チャーター』という秘密のスパイ組織の一員で、ケヤ・ダワン(アーリヤー・バット)という謎の天才ハッカーの行方を追うためにMI6に潜入していました。何のために潜入してるのかは、分かったようでよく分かりません。とにかく、『チャーター』は陰であらゆる政治・経済活動の動きを見守って、世界平和を維持するための秘密組織なんだそうです。"ハート"という世界最強のAIシステムを有していて、正確に未来を予測するAIの指令に従って組織のメンバーは行動しています。

 

しばらくして、ケヤ・ダワンが属している組織に命を狙われる4人。3人がピンチに陥る状況を見て、隠していた戦闘能力を発揮して助けるレイチェル。で、自分が秘密組織の一員だと打ち明けていた時に、3人のうちの1人が急にレイチェル以外の2人を殺害。実は、コイツがケヤ・ダワンの組織の首謀者でありました。チャーターのメンバーがMI6に潜入していることを知って、こっそりとMI6のメンバーに成りすましていたとのこと。なんだか設定にムリがある気がしますが、ここまでずっとアクションシーンが続くので、そういった疑問はあまり気になりません。その後、レイチェルの体に埋め込んだGPSでチャーターの指令部門の場所を突き止められて、わりとカンタンに"ハート"そのものを奪われてしまいますが、レイチェル一人がトム・クルーズ並みに活躍して世界のピンチを救いましたとさ・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Heart of Stone」。最強のAIシステムで世界を守る謎の組織と、AIシステムを奪ってより良い世界を作る支配者になろうとする組織の戦いを描いた、ミッション・インポッシブルみたいなアクション物です。レイチェルがどうやってその組織の一員になったのかもよく分かりませんが、かなり優秀な戦闘部員のようです。細かい設定を詮索しては野暮というもので、レイチェルを演じるガル・ガドットお姐さまのアクションに酔いしれなさいということを、序盤のシーンから我々に語りかけています。パラシュートで雪山を低空飛行するガル様スノーバイクで疾走するガル様ガンアクションを決めるガル様水着で泳ぐ休憩タイムのガル様を挟んで、接近戦で男どもをボコボコにするガル様抜群のドライビングテクニックで敵を撒くガル様モモンガみたいな恰好をするガル様、で、またスカイダイブするガル様バイクで疾走するガル様、クライマックスで首謀者をぶっ殺すガル様といった具合に、大活躍するガル様を存分に堪能できます。

 

上記以外の出演者は、レイチェルのボス役にソフィー・オコネドー、"ハート"のシミュレーションを元にレイチェルに指示するブレーン役にマティアス・シュヴァイクホファーなど。チャーターの上層部の一員としてグレン・クローズが出演していたのはちょっとしたサプライズ。なんでも暴力で解決しようとする男性が支配してきたこれまでの人類の歴史への批判というメッセージが込められていることもあって、重要な登場人物の役どころは女性が多く演じている印象。レイチェルに敵対して"ハート"を盗んで、世界を我が物にすることができたケヤも、最終的にはレイチェルの味方となって戦います。演じているのは「RRR」に出ていたというアーリヤー・バット。製作スタッフ側も女性陣の比率が高いようで、おっさんを喜ばすようなムダなエロ描写もありません。まあ、世界を支配するAIシステムを奪い合うのは結構なんですが、とても優秀なAIがあるなら、とりあえず、日本の暑さを何とかしてもらいたいです。