「プリンセス・ブライド・ストーリー」(1987)

 

根強い人気のあるファンタジーコメディをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はロブ・ライナー。予告編はコチラ

 

家にやってきたじいちゃん(ピーター・フォーク)が孫(フレッド・サベージ)に本の読み聞かせを始めます。ある架空の国に住む美女バターカップ(ロビン・ライト)ツンデレのバターカップのワガママにいつも「仰せの通りに」と答えて、従順に受け止めるイケメン農夫ウェスリー(ケイリー・エルウィス)。やがて、永遠の愛を誓い合う二人。結婚資金を稼ぐ旅に出たウェスリーが海賊ロバーツに襲われて死んだという一報を聞いてショックを受けるバターカップ。それから5年後、バターカップは王子(クリス・サランドン)に見染められていやいや結婚することに。で、挙式直前にボスのビジニ(ウォーレン・ショーン)、剣士イニーゴ(マンディ・パティンキン)、怪力巨人のフェジク(アンドレ・ザ・ジャイアント)の愉快な3悪党に攫われたかと思ったら、黒装束の男が突如現れて、3人をやっつけて助けてくれます。

 

彼は世間で恐れられている海賊ロバーツで、死んでしまったはずのウェスリーでした。再会を喜んで改めて永遠の愛を誓うものの、王子と側近の伯爵(クリストファー・ゲスト)に捕えられる二人。ウェスリーを殺そうとする王子に、ちゃんと結婚するからウェスリーを助けてほしいとお願いするバターカップ。いったんは了承した王子は伯爵に命令してウェスリーを拷問死させます。敵国と戦争するための駒として自分と結婚しようとしていた王子の策略を知ったバターカップ。そこに3悪党の生き残りの剣士イニーゴ巨人フェジクが絡んできます。伯爵が父を殺した復讐の相手だと知ったイニーゴがフェジクを連れて、王子の住む城に潜入。敵兵を倒すためにウェスリーの力も借りたい二人は、挙式当日ウェスリーを生き返らせて最終決戦に臨むのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「The Princess Bride」。お姫様となるお嫁さんと言った意味。劇場公開時より、その後にビデオ化されてから家族で楽しめる作品として定番となった経緯あり。オフビートなユーモアが全編に漂うハートフルなファンタジーロマン。爺さんが語るおとぎ話を最初は面倒くさそうに聞いていた孫。ラブロマンスなんてダサいよと思ってたのが、楽しい冒険話にどんどん引き込まれてしまい、途中で何度も語りをやめる爺さんに、それからどうなったとせがみます。爺さんがピーター・フォークなのが良いですね。成り行きで海賊ロバーツの跡目を継ぐことになったウェスリー。剣士イニーゴとの剣術対決での剣さばきは本格的で見どころあり。三悪党の三者三様のユーモアも印象的で、生きるか死ぬかの状況下でジョークを言ってばかり。一番長生きしそうなビニジはあっさり死んで、騎士道精神のあるイニーゴと優しき怪力男フェジクのコンビがウェスリーと手を組んで悪巧みをする王子たちをやっつけます。

 

イニーゴ役のマンディ・パティンキンは知らない俳優さんだと思ったら、「HOMELAND」おじさんだったんですね。当時大人気だったプロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントがただの力任せのバカではなく、気の利いたジョークを言う怪力男を演じてるのもレアです。この役はアーノルド・シュワルツェネッガーも候補だったとのこと。あと、ヘンな特効薬でウェスリーを生き返らせる奇跡屋マックスをビリー・クリスタルが変装して演じています。それと、お姫様となるバターカップを演じてるのが、最近ではハリウッドでも有数の女傑キャラとなったロビン・ライトであること。当時二十歳でこれが実質的な映画デビュー、キラキラした美しさを振りまいていました。バランスのいいキャスティングで、軽妙な語り口が得意のロブ・ライナーらしいテンポの良い演出はいま観ても古びていません。何度も裏話の特集があったり、キャスト再結集があったり、セレブがこの映画の魅力を語っていたりしているのもうなずけます。メチャメチャ面白かったあという感じではなく、キレイにまとまってるなあという感想になる映画でございました。