「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」(2002)

 

スパイコメディ映画の第三弾をNETFLIXで観ました。初見。

 

 

監督はジェイ・ローチ。予告編はコチラ

 

オープニングで落下するパラシュートから愛車に飛び乗って、ヘリで追跡する敵を華麗に撃破して「ミッション・インポッシブル」ばりに登場するオースティン。と思ったら、オースティン・パワーズの活躍を"オースティン・プッシー"というタイトルの映画として撮影している場面でしたということで、オースティンを演じているのはトム・クルーズ、ヒロイン役はグウィネス・パルトロウで、Dr.イーヴルがケヴィン・スペイシーで、ミニー・ミーがダニー・デヴィートという超豪華キャスト。監督はなんと、スピルバーグ。そんな撮影の様子を見学に来ていた本物のオースティン(マイク・マイヤーズ)がスタジオで踊り出して始まるド派手なオープニング。テーマ曲の演奏を指揮するクインシー・ジョーンズも現れて、ブリトニー・スピアーズも歌と踊りで絡んでくる、ハリウッドならではの贅沢なお遊びで、いきなりお腹一杯になります。

 

Dr.イーヴル(マイク・マイヤーズ)が宇宙へ逃亡している間、ハリウッドに秘密基地を構えていた部下たち。イーヴルたちが相変わらずのバカ話をしている間に、オースティンが参上してイーヴルを逮捕。女王陛下に表彰されたオースティンですが、伝説のスパイで尊敬する父でもあるナイジェル・パワーズ(マイケル・ケイン)が何者かに誘拐される事件が発生。イーヴルと組んでナイジェルを誘拐したのは、世界を破滅に導く武器を開発した"ゴールドメンバー"(マイク・マイヤーズ)。実験中に股間を失っていて、ゴールド製のイチモツを持つ男でもあります。ナイジェルを追ってタイムマシンで1975年のNYにやって来たオースティン。そこで、ゴールドメンバーのアジトで潜入捜査をしていた、元カノのフォクシー・クレオパトラ(ビヨンセ)とバッタリ再会。その後、現代に戻ったゴールドメンバーとナイジェル。後を追ったオースティンとフォクシーは、脱獄したイーヴル東京湾付近の潜水艦基地にいる情報を聞いて、日本に到着スモウレスラーになってイーヴルの手下を続けていたファット・バスタード(マイク・マイヤーズ)を倒して、イーヴルとの対決を迎えるのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Austin Powers in Goldmember」。メンバーには"男根"という意味もあるそうです。POPさと下品さのブレンドが新鮮だった1作目、お下劣寄りになっていた2作目に続いて、3作目はPOPさを増量、日本描写のキッチュさも加えて、少し下品度を抑えた内容。笑えるかどうかは個人差があれど、賑やかで楽し気な魅力はパワーアップしていました。製作費6,000万ドルで世界興収3億ドル。本作でオースティンのパートナーとして登場するのはビヨンセ「ダイナマイト諜報機関/クレオパトラ危機突破」(1973)あたりのブラックプロイテーション映画ヒロインキャラのパロディになっていて、お芝居はそれなりですが、存在感はバツグン。ステージパフォーマンスをしている時が最も色気があります。オースティンの父で初登場のマイケル・ケインも軽薄な英国紳士をテキトーに演じていて、シリーズの雰囲気に馴染んでいます。IMDBトリビアによると、ナイジェル役の第一候補はショーン・コネリーだったそうです。他に、オースティンの上司役のマイケル・ヨーク、イーヴルの部下役のロバート・ワグナーミンディ・スターリング、イーヴルの息子役のセス・グリーンなどの常連組にしっかりと見せ場を与えていて、特に、正義に目覚めるミニー・ミー出番が多め。

 

で、ここからは衝撃のネタバレ。クライマックスでイーヴルを撃ち殺そうとしたオースティンに、ナイジェルが衝撃の告白。実は、イーヴルもナイジェルの息子で、二人は生き別れになった兄弟であることが発覚。実の兄弟を殺すわけにはいかないオースティンとイーヴルが仲直りのハグをしていると、ゴールドメンバーが反逆。地球を破滅させる装置を起動させるギリギリのタイミングで、オースティンとフォクシーが活躍して危機を回避。最後は、ゴールドメンバーを演じるジョン・トラボルタが登場。自分たちの活躍を描いた映画をオースティンたちがチャイニーズシアターで観ているシーンで映画は終わりました。

劇中映画での豪華スター以外のカメオ出演者としては、なぜかオジー・オズボーン、そして、バート・バカラックもエンドクレジットでご丁寧に3作連続の出演。また、ジョージ・ハリソンがこのシリーズの大ファンで、マイク・マイヤーズにこの映画が好きだという手紙を送ったらしく、本作撮影期間中に手紙が届いた日に、ジョージ・ハリスン死去のニュースが報じられたとのこと。