「俺たちダンクシューター」(2008)

 

ウィル・フェレル主演のおバカコメディをU-NEXTで観ました。

 

 

監督はケント・アルターマン。予告編はコチラ

 

1976年のミネソタ州フリント。映画館では「走れ走れ!救急車」が上映されてます。『Love Me Sexy』という曲で一世を風靡した歌手ジャッキー・ムーン(ウィル・フェレル)が、ABAに所属している地元プロバスケチーム「フリント・トロピックス」のオーナーをしていました。NBAに対抗すべく作られたプロリーグですが、実力・人気とも圧倒的な差をつけられています。ジャッキーは監督もしていて、現役プレーヤーでもあり、ゲーム前のショーでは自身のヒット作のライブパフォーマンスを毎回披露。目立ちたいがためにチームを持ってるだけなので、肝心の成績は最下位。観客もまばらで人気チームとはいえません。ある日、ABAリーグ自体が運営危機に陥り、NBAとの合併が決定。自分のチームがNBA入りだと無邪気にはしゃぐも、対等合併ではなく、ABAからNBAに参加できるチームはわずか4つ、残りの弱小チームは強制的に解散となると知らされてショックを受けるジャッキー。

 

だったら、今シーズンの成績を4位にすればいいだろうと突然奮起しだすジャッキー。おんぼろバスで移動するくらい(たまにイイこともある)の金欠チームなので、大きな戦力補強はできません。まずは、元NBAプレーヤーで、今はカネに困っているエド(ウディ・ハレルソン)をスカウト。洗濯機を契約金代わりに入団させることに成功。地元テレビ局で生中継してるというのに、プレーよりも相手チームとの乱闘に熱を入れるチーム状況に変化は起きません。次に、ハーフタイムショーの演出に力を入れ始めるジャッキー。強くなるわけがありません。エドは堕落した生活を送ってはいたものの、バスケには本気。ミーティング・練習風景を見て、チームのやる気のなさを徹底批判。素質はあるのにワガママなエース候補クラレンス(アンドレ・3000)以下の古参メンバーとエドが全面対立するかと思いきや、強くなりたいからコーチになってほしいと、エドと一致団結。自分のことにしか興味のないジャッキーをうまくあしらいながら、実質的な監督となったエドの指導の下、チームはどんどん強くなっていき・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Semi Pro」。"プロもどき"といった意味でしょうか。1967年から1976年に実在したプロリーグABAを元ネタにしています。ベースはダメ人間たちがダメチームを建て直すスポーツ物のパターン。真顔でボケるウィル・フェレルのマヌケな行動をメインに、しょーもない小ネタやギャグをまぶして、一定量のバカバカしさを楽しめる内容です。今回のウィル・フェレルは、地元愛の強いマザコン男ジャッキー役。死んだ母親役はR&Bシンガーのパティ・ラベル。プレー以外で情熱に燃やすジャッキーは観客動員のためにクマと対決。クマは逃げ出してしまって、試合会場から脱走。フリースローおばあちゃん投げをするぐらい、ほとんど役に立たないジャッキーですが、"アリウープ"という必殺技(たいしたプレイではない)を編み出して、最後の試合でチームの窮地を救います。

 

ウディ・ハレルソンは元NBAプレーヤーのエド役。バスケが上手そうには見えません。再びバスケの情熱を取り戻して、元カノのリン(モーラ・ティアニー)ともヨリを戻そうとします。リンの現恋人がエドの大ファンで、エドとリンが浮気してる現場見てコーフンするシーンあり。他に、一発勝負の遠投フリースローを見事成功させて1万ドルをゲットするヒッピーの観客でジャッキー・アール・ヘイリーが出演。ダメ人間×スポーツ映画の傑作「がんばれ!ベアーズ」(1976)のケリー役でもおなじみ。また、ヤジを飛ばす観客でジェイソン・サダイキスも出演。こちらは近年の傑作「テッド・ラッソ」(2020-)のコーチ役でも有名です。野放しにされてることをすっかり忘れた頃に熊が襲ってくるラストで映画は終わりますが、IMDBトリビアによると、熊のインストラクターがこの映画のプロモーション映像撮影時に熊に噛まれて死んでしまったようです。