「ビー・バップ・ハイスクール」(1985)

 

昭和のヤンキー物アクションの快作を観ました。1/13までYouTubeで無料配信中。初見。

 

 

監督は那須博之。予告編はコチラ

 

愛徳高校の不良コンビヒロシ(清水宏次朗)とトオル(仲村トオル)は留年して、1学年下の今日子と同じクラスに編入されます。優等生の今日子(中山美穂)は二人のマドンナ的存在。今日子の弟がヤンキーに絡まれてるところを助けたりもしますが、普段はヤンチャな行動を注意されてばかりで、校内では伝説的不良の二人も今日子にだけは頭が上がりません。そんな彼らを慕う舎弟志願の同級生転入生、下級生達が沢山いて、将来に漠然とした不安を抱えながらも、自由気ままに楽しいヤンキーライフを送っています。知り合いのヤンキー娘の順子(宮崎ますみ)美人です。

 

今日子のお誕生日会に出席して大恥をかいたり、球技大会でボールも人間も蹴って活躍したりして高校生活を謳歌していたある日、卒業生のほとんどがヤクザになるといわれている戸塚水産高校の生徒を締めてしまったことで、戸塚水産を牛耳るヘビ次・ネコ次こと竜雄(小沢仁志)虎雄(木下秀樹)兄弟が激怒、一転、追われる立場となったトオルとヒロシ達はしばらく身を隠すものの、今日子が拉致されて髪をボロボロにされてしまいます。転校してしまうかと思ったのに、二人を信じる健気な今日子の仇を絶対取ると誓った二人は、ヘビ次・ネコ次に果たし状を叩きつけて、仲間と共に最終決戦に臨むのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1985年12月14日。薬師丸ひろ子主演 「野蛮人のように」の併映作品。添え物作品の方が目立ったパターンで、その後、シリーズ化されて第6作まで作られます。高校生の主要キャラや、二人に目を光らせる少年課の刑事役の地井武男、教師役等の数名の大人を除いて、登場人物はオーディション等で集められた素人同然の不良ばかり。当時、地方の各地に存在していたヤンキーそのものの風貌で暴れ回る姿は懐かしさを覚えます。現実には近寄りたくない人たちでしたが。。。他愛もないお戯れをしている彼らを戯画化して描く前半は、ヤンキーの面白エピソード中山美穂の可愛さで引っ張っていきます。

 

そして、戸塚水産との戦いとなる後半。ラストの集団バトルからの2対2の争いもガッツある肉弾戦のアクション描写ですが、仇討ちを決心したヒロシとトオルが戸塚水産の生徒が乗車する電車(静岡鉄道でのロケ撮影)に乗り込んで殴り合いをするシーンでは、日本映画史上に残る伝説級のスタントが拝めます。電車内でのスリリング格闘の末、殴り倒した生徒を(多少は運転速度を落としてるかもしれないとはいえ)電車から放り投げて川に次々と突き落とす場面は、リアルならではの迫力あり。このシーンだけでも一見の価値があります。あと、割り箸を鼻の穴に突っ込んでぶっ差して鼻血ドバァのシーンも下手なホラーよりも怖いです。劇中のヤンキーよりも、これを作っている人たちの方が相当ヤンチャな映画でございました。