「セーラー服色情飼育」(1982)

 

可愛かずみ主演のロマンポルノ映画をWOWOWオンデマンドで観ました。初見。

 

 

監督は渡辺護。

 

駅で見かけた女子高生(可愛かずみ)を隠し撮り、部屋に彼女の写真をベタベタと貼り付けて、いつかモノにしてやると夜な夜な独り言を言っている大学講師の吉松(下元史朗)。ヘンタイの王道です。当然のように、毎朝の出勤時に女子高生を尾行する定点観測は欠かせません。女子高生の名前は岡田美貴子であること、母子家庭の二人暮らしであることを突き止めて、夜にはイタズラ電話で卑猥な言葉を浴びせて悦に入っています。大学の単位欲しさに体を売る女子大生との関係には飽き飽きしている日々。

 

美貴子へのさらなる接近を試みるべく、車の接触事故で美貴子の母と接点を持ち、爽やかな紳士ヅラで母子と顔見知りとなる吉松。夜にまたイタズラ電話をかけたり、母子のアパートの玄関で美貴子のカラダを妄想しながらセンズリしてドアノブに液体を放出したり、紳士とヘンタイの両立で母子にコミットしていく吉松。イタズラ電話に悩む母の相談に乗った夜、ホテルで関係を持って(母がシャワーを浴びてる間に美貴子にイタズラ電話をする入念ぶり)、やがて母子と一緒に暮らし始めます。もちろん、吉松の真の狙いは美貴子。母との営みを終えて実貴子の眠る部屋に侵入したり、脱ぎ捨てた下着の匂いを嗅ぐ吉松。やがて、罪のない母を殺して、通夜で二人きりになった美貴子に襲いかかるのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1982年11月15日。妄言通りに美貴子をモノにした吉松がそのまま二人で幸せに暮らしましたとさで終わるアンチモラルな結末にビックラこきました。脚本は小水ガイラ。ストーリーはナボコフの「ロリータ」をモチーフにはしているようです。主演の可愛かずみは本作でデビュー。ヤンキー風の風貌と清純なココロを持つヘンタイの理想像をあどけなく演じています。濃い濡れ場は女子大生や母ちゃんに任せて、麗しいカラダをチョイ見せ気味ながらもしっかりと披露。その後もバラエティやドラマでコンスタントに存在感を示していた女優さんだったので、早くに亡くなられたのは残念でした。

 

本作のお目当ては彼女ですが、本当の主役はヘンタイ一直線の大学講師を演じる下元史朗。流麗にエロワードをまくし立てる気持ち悪さには清々しささえ感じます。1回目のイタ電では、服装とパンツの色と自慰行為の経験の有無・方法を質問。2回目のイタ電では、キス等の性体験の質問、代わりに出た母への執拗なハラスメント発言を行います。3回目のイタ電では、今夜お前に会いにいくぞと脅す吉松。現実世界では即刻処罰されなければいけないクズ人間。頭の中で何を思うのかは自由ですが、妄想までに留めておかないといけません。携帯電話の時代になって、イタズラ電話による犯罪行為はもう減ってるのかと思ったら、ショートメッセージ詐欺等の違うやり方で被害は増えてるみたいですね。