「殺しのドレス」(1980)

 

美女殺し変態ムービーをU-NEXTで観ました。

 

 

脚本・監督はプライアン・デ・パルマ。予告編はコチラ

 

舞台はニューヨーク。再婚した夫マイクとのセックスライフにご不満の美熟女ケイト・ミラー(アンジー・ディッキーソン)。前の夫との間に生まれたコンピューターオタクの息子との三人暮らし。その日の朝もヘタな夫のプレイに感じるフリをしながら、違う男に襲われる妄想に耽っていました。さっそく、かかりつけの精神分析医エリオット(マイケル・ケイン)を訪ねて、溜まった欲求不満をぶつけます。私と寝たいと思うと聞かれて、ちょっとコーフンするエリオット。その後に立ち寄った美術館である男と出会い、行きずりの情事に及ぶケイト。しかし、帰りのホテルのエレベーターの中で金髪の女にカミソリでめった刺しにされて殺されてしまいます。で、エレベーターで瀕死のケイトをたまたま目撃してしまった娼婦リズ(ナンシー・アレン)が第一目撃者兼容疑者として警察に目を付けられます。

 

一方、母を殺されたピーター(キース・ゴードン)は、マリノ刑事(デニス・フランツ)がエリオットの患者に犯人がいるのではと推理している情報を得て、科学コンテストそっちのけで犯人捜しを開始、やかてリズと行動を共にすることに。その推理は当たっていて、元患者でトランスジェンダー男性ボビーが女性への性転換を否定された恨みでエリオットに脅迫留守電をかけていて、女患者(ケイト)を殺したことも自供していました。患者の情報の守秘義務からか、警察には報告せずにエリオットも独自に解決しようとします。殺人鬼は目撃者リズの命を狙って尾行しており、地下鉄であわや殺されそうになったところを金髪女を尾行していたピーターに助けられます。金髪女は懲りずにもう一度リズに襲いかかりますが、今度は犯人に目星をつけていた刑事が金髪女を銃殺。犯人の正体は・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Dressed to Kill」。「おめかし殺人」といったところ。奇才ブライアン・デ・パルマ中期のセクシースリラーの快作。トランスジェンダーへの差別的表現は現在だと完全にアウト。電子機器を駆使して捜査をするピーター少年は監督自身を投影しているのかな。自分自身の倒錯的嗜好性を惜しみなく反映しているところがデ・パルマらしいというか。ストーリーよりも映像を優先しがちな作風は好みが分かれるところで、好きな人にはたまらない楽しさがあります。ドキュメンタリーで話していたお得意の"ジオプター"を多用していました。鏡を使った演出も効果的。エレベーターでのスリリングな殺人シーン等でのヒッチコックの「サイコ」オマージュ満載なのは有名。美術館からタクシーまでの長いシークエンスがバカバカしくて素晴らしいです。

 

IMDBトリビアによると、美術館の室内シーンのロケ地は「ロッキー」で有名なフィラデルフィア美術館だったようです。また、エリオット医師役はショーン・コネリーが有力でしたが叶わず、その後「アンタッチャブル」でデ・パルマ映画の出演が実現します。それと、ケイト役はリヴ・ウルマンで想定してたとのこと。実現していたら、分かりやすいエロ要員のアンジー・ディッキーソンとは違う雰囲気の映画になったかも。もう一人の主役は、当時、監督の伴侶だったナンシー・アレン。本作が彼女史上最もキレイだったんじゃないでしょうか。挑発的なポーズを取られると、マイケル・ケインじゃなくても欲情してしまいます。本作以降は顔つきにキレがなくなって、どんどんぽっちゃりおばさんになっていった気がします。