「ファイヤーボール」(1979)

 

ドラッグカーレース映画をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はデヴィッド・クローネンバーグ。予告編はコチラ

 

ロニー・"ラッキーマン"・ジョンソン(ウィリアム・スミス)ドラッグカーレース界でNo.1の実績を誇るベテランのレーサー。オイルメーカーの大手ファストコがスポンサーのチームに所属。専用のキャンピングカーに乗って、全米各地を転戦中。人気競技のスターとあって、当然、女にモテモテ。開催地に昔の彼女サム(クラウディア・ジェニングス)がいるというんで、電話で呼び出してカーセックス。サブレーサーのビリーも前途有望なレーサー。こちらもモテモテで、キャンピングカーにヒッチハイクの美女2人を連れ込んで3Pしたりと何かとお盛んです。レースクイーンのキャンディともラブラブ

 

スポンサー幹部のアンダーソン(ジョン・サクソン)が曲者で、経費にうるさく、チームの勝利よりも親会社の宣伝効果だけを気にするビジネスマン体質であるため、案の定、ロニーとはソリが合わず、たびたび衝突をしています。ある日、アンダーソンとの対立が決定的となって、メカニックメンバーもろろもチームは解散させられます。アンダーソンはロニーのライバルであるギャリーと契約。スポンサーを失ったロニーは、2人のメカニックメンバーとロニーに憧れる若手レーサーのビリーと組んで個人チームとしてレースに参戦。新生ファストコに一泡吹かせようとするのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

現代は「Fast Company」。カーマニアでもあるらしいクローネンバーグのカーアクション映画。他の作品群とは毛色の違う単純明快なプログラムピクチャー。カントリー風ののんびりした音楽が劇中に時折挿入される牧歌的な内容。スタートダッシュの直線レースで勝負を決めるドラッグレースの世界を垣間見ることができます。独特のエンジン音で爆走するドラッグカー描写は車好きにはたまらないのかも。主演のウィリアム・スミスは「燃えよドラゴン」(1973)ジョン・サクソンの役をやる予定だった人ということを「ダーティファイター 燃えよ鉄拳」(1980)を観た時にも書きましたが、本作ではそのジョン・サクソンと敵味方に分かれて共演しています。

 

終盤のネタバレをすると・・・、クビになったロニーのチームは、ファストコがコンベンションに出展している車を夜中に盗んでレースに参戦するという非合法な手段で対抗。ズルいです。一方のファストコチームも、クライマックスの決勝レースではロニーのチームが走行するレーンのゴール前にガソリンをばら撒いて爆発させようとする、さらに上を行く卑怯な作戦を敢行。敵陣のレーンにガソリンを撒いた裏工作を知らないギャリーが、車をぶつけ合った結果、ビリーが走行するレーンを走行してしまい、車は大炎上して即死。自業自得です。作戦に失敗したアンダーソンは近くに止めてあったセスナ機に乗って現場から逃げようとしますが、ロニーが車で追走してセスナの主翼を破壊。バランスを失ったセスナは看板に激突して即死。悪党を殺してめでたしめでたしという強引な結末で映画は終わりました。