「さよならエマニエル夫人」(1977)

 

3部作の最終作をU-NEXTで観ました。

 

 

監督はフランソワ・ルテリエ。予告編はコチラ

 

アフリカのセイシェル諸島に居を構えている建築家ジャンとエマニエルの夫婦。相変わらず、自由恋愛スタイルということで、現地在住の白人夫婦数組とスワッピングライフを楽しんだり、個々にお気に入りを見つけて男女問わずに交わる性生活を楽しんでいます。いい気なもんです。今回、エマニエルが夢中になるのはセイシェル島を訪れた映画監督のグレゴリー。最初の誘惑に成功してベッドイングレゴリーはすぐに寝ておきながら自由恋愛を謳歌するエマニエルを説教、娼婦呼ばわりしてケンカ別れとなります。冷たくされたことでグレゴリーのことが逆に気になって仕方がないエマニエル。グレゴリーもエマニエルが忘れられなかったようで、二人は再び接近。海辺で燃え上がった後に、ロケ地探しの島めぐりの旅を共にするエマニエル。

 

いつもはエマニエルの奔放な恋愛を何でも許容するジャンも、若いグレゴリーの存在に嫉妬心が芽生えます。旅から帰ってきたエマニエルにグレゴリーから掛かってきた電話を取り次がなかったりして、ジャンらしくない軽い嫌がらせを敢行。 これまで保たれていた二人の夫婦愛のバランスが崩れます。エマニエルは一途な愛を信奉するグレゴリーへと気持ちが傾いていき、グレゴリーもエマニエルも奪い去ろうと決意。しかし、ちょっとしたすれ違いでパリに旅立ってしまったグレゴリー。ジャンの嫌がらせを知ったエマニエルはグレゴリーの後を追って、ジャンを捨てて島を出るのであった・・・というのが大まかなあらすじ。

 

自由恋愛を楽しみながらも、それぞれの夫婦が抱える悩みや葛藤をチマチマと描いています。とはいえ、庶民とはかけ離れた贅沢な悩みで、金と時間に余裕がある人たちのお戯れでしかなく、ずっと遊んで暮らしている彼らの生活がうらやましいというか、ムカつくというか、勝手にやってろというか。エマニエルに愛想を尽かされるジャンも、若い北欧美女や他の女性とも仲良くやっているので、「そのうち飽きて戻ってくるさ」とダメージは受けてなさそう。2作目以上にモテモテ。自由な性愛観を夫に植え付けられていたエマニエルは、やっぱり一人を愛する生き方が尊いのではと改心して、セイシェルの空港からグッバイする場面で映画は終わります。大事なサヨナラ場面だからなのか、手を振って去る同じシーンを4回繰り返します。

 

映画開始5分でさっそく脱いでくれるシルビア・クリステルの姿態は相変わらず美しいです。IMDBトリビアによると、セイシェルロケに興奮して楽しんで撮影したとのこと。シリーズを通じてどんどん主役らしさが出てきているので、バンバン脱いでいるにもかかわらず、他の美女の裸体より神々しさを感じるくらい。海に囲まれたセイシェル諸島の映像はキレイですが、海外ロケしたグラビアアイドルのイメージビデオとクオリティはたいして変わりません。主題歌はセルジュ・ゲンジュブール。オープニングとエンディングで男女が語りかけるようなスタイルでエマニエルがどうとかブツブツ歌っています。