「狂気の愛」(1985)

 

 ソフィー・マルソー目当てでU-NEXTで観ました。

 

 

監督はアンジェイ・ズラウスキー。予告編はコチラ

 

ディズニーキャラもどきお面を被って銀行強盗を働いたグループが登場。リーダー格はミッケー(チェッキー・カリョ)。 奪った金を運んでパリに向かう列車での逃走中にハンガリーから来たレオン(フランシス・ユテール)という青年と出会って意気投合、パリに着いてからは行動を共にするようになります。ミッケーがパリに来た目的の一つは、刑期を終えた父の出所祝いをすること、もう一つは、パリにいる愛する女マリー(ソフィー・マルソー)に会うこと。不幸な過去を持つマリーはパリの裏社会を仕切るブナン兄弟の情婦になっていました。レオンを含めた一味を引き連れて襲撃、マリーの強奪に成功するミッケー。しかし、マリーはレオンと惹かれ合って恋に落ちますレオンと対立するミッケー。レオンは他の女とも関係を持つわ、奪還を狙うブナン一派や警察も絡んでくるわで、グチャグチャの抗争劇が展開されていき・・・というのが大まかなあらすじ。

 

いちおう、あらすじはこんな感じですが、とにかく、登場人物たちが銀行強盗以降ずっと全員ハイテンション演技で意味のないセリフを叫んで暴れまわって、いろんな勢力が入り乱れての人間模様のカオス状態が最後まで続きます。分かりやすいストーリーテリングをするつもりがないようで、何が何だか、ワケが分かりません。実際、こちらはソフィー・マルソーの裸体目当てで観ているのでどうでもよいのですが、早送りせずにマジメに観るタイプなので、もう少し物語ってくれよと思います。ただ、個々の場面のパッションがスゴイのは事実で、分からないんだけど、画面にほとばしっている何かをずっと見入ってしまう絵力はたしかにあります。乱れた性生活や突然のヴァイオレンスの描写よりも、食べ物を顔に塗りたくったりするシーンが露悪的で不快でした。ヴィジュアル的にはそこそこ面白いアングラ劇を観ている感じ。原題は「L’amour braque」で、邦題と同じ意味。

 

商業的にウリになったのは、なんといっても、当時18才のソフィー・マルソーの裸体。体当たりのヌードってやつです。当時、全裸になるのが早すぎないかと思ったものです。同時に、本作以降、事実婚の関係が続いた監督のアンジェイ・ズラウスキー(26才差!)がとても羨ましかった記憶も蘇りました。勿体ぶって中盤以降の見せ場にするのではなく、序盤からサッとさらけ出すところは好感が持てます。大胆なイメチェンは成功、アイドルから脱皮に成功して、フランスを代表する女優さんになりました。あと、レオンに絡むもう一人の女優さんクリスチアーヌ・ジャンも負けじ劣らずの美人。この二人の美貌を眺めるだけで、ストーリーの難解さも許せてしまう作品でした。