「快盗ルビイ」(1988)

 

キョンキョンとデュークの共演映画をWOWOWオンデマンドで観ました。

 

 

監督・脚本は和田誠。予告編はコチラ

 

都内のマンションで母と二人暮らしをしている平凡なサラリーマンの林徹(真田広之)。ドジでノロマな男です。ある日、上の階にキレイめの女子(小泉今日子)が引っ越してきます。ひょんなキッカケで加藤留美という名の彼女と知り合った徹。フリーのスタイリストは表向きの職業で、本当は"ルビイ"という名のドロボーだと名乗る彼女。不思議な魅力に惹かれているところを付け込まれて、強引に相棒として犯罪を手伝わされる徹。ルビイにはカレシがいるらしく、かなわぬ恋の模様。肝心の犯罪の方はというと、雑貨店の売上金を盗む作戦も、銀行強盗も、宝石詐欺も、不法侵入&窃盗も、すべて失敗。そんなドタバタを続けてるうちに、徹をただの使いっ走りくらいに思っていたルビィも、ワガママを受け入れてくれる徹のことをいつの間にか好きになっていくのか、いかないのか、果たしてどっちでしょう・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1988年11月12日。同時上映は「怪盗ジゴマ 音楽篇」。和田誠によるアニメーションの短編。監督デビュー作「麻雀放浪記」(1984)に続いて手がけたのはロマンティック・コメディ路線。原作はヘンリー・スレッサーの『快盗ルビイ・マーチンスン』。ニューヨークを舞台にした男性か主人公の犯罪コメディを、日本を舞台、主人公を女性に変更した本作。オシャレな小道具、ユーモラスなセリフ、軽やかな音楽などなど、準備万端なはずですが、なんだか上滑り感がかなり強めの出来。編集や音楽の"間"が悪いのかなあ。俗っぽい照明もかっこ良くありません。ただ、似たような雰囲気を持つ邦画は他にないため、目指していた最高形を脳内で想像しながら観ると十分に楽しめます。急に歌い出す場面なんか、けっして悪くありません。

 

味のある俳優陣で脇を固める中、本作のウリは主役のお二人。小泉今日子のキュートさはお見事。公開当時は22才。メインだったアイドル稼業がちょっと落ち着いてきて、女優業の比率が少しずつ多くなってきた時期。ちょっとお肌の調子は良くないです。"加藤留美"はもちろん"快盗ルビィ"をもじった遊び心のある役名。魔性の女なのか、不思議ちゃんなのか、キャラがちょっと定まらない印象。でも、可愛らしいです。シーンが変わるたびに衣装チェンジ。それが1つ目の見どころ。 お次は、真田広之。公開当時は28才。"林徹"という役名がどこから来ているのかは解明できず。演技力もスター性も兼ね備えた彼が油断だらけのドジで運動オンチなダメ男に見えるように、全編に渡って一瞬も油断せずに演じています。時折、運動神経の良さや男前感が顔を覗かせています。その熱演ぶりが2つ目の見どころ。しかし、息の合ったコンビネーションとはいってないのが残念。期待度の高いカップリングだっただけに、すこし点が辛くなったかもしれません。