「ベルーシ」(2020)

 

ジョン・ベルーシのドキュメンタリーをU-NEXTで観た。

 

 

監督はR・J・カトラー。予告編はコチラ

 

1949年1月24日、イリノイ州ウィートン生まれ。高校時代はアメフトの選手としても活動しながら、仲間とロックバンドを結成してインディーズレーベルからリリース。大学中退後、シカゴで自ら結成したコメディユニットの活動を認められて、憧れの人気コメディ集団「ザ・セカンド・シティ」入り。ハロルド・ライミスビル・マーレイなどと出会います。そこからNYオフ・ブロードウェイのコメディグループ「ナショナル・ランプーン・レミングス」に加入。ここでチェビー・チェイスと出会います。セカンド・シティのトロント支部にいたダン・エイクロイドに出会うのもこの頃。ライブ活動やラジオ番組で能力を発揮して、1975年からNBCテレビで新しく始まるバラエティ番組出演の機会を得ます。

その番組が、「サタデー・ナイト・ライブ(初期のタイトルはNBCサタデーナイト)」。現在も続くアメリカのバラエティショーの王様的存在の番組です。最初に脚光を浴びたのはチェビー・チェイスですが、2シーズン目途中で離脱してハリウッドに渡った彼に代わって、頭角を現していったのがベルーシ。ハイテンションで破壊的なキャラで人気が沸騰して、時代の寵児に。映画界にも参入して「アニマル・ハウス」(1978)の大ヒット以降、複数の作品を経て「ブルース・ブラザース」(1980)でバンドマン、映画スターとしての成功も手にします。しかし、活躍し始めた時期から常用していたコカインの量が増えて、ヘロインにまで手を出していったベルーシの心身はどんどん蝕まれていって、1982年に33才の若さで亡くなってしまうところまでを分かりやすく紹介しているのが、本作のあらすじ。

 

ベルーシの死については、かつて「ベルーシ最期の事件」という文庫本を読んで、当時の状況を知りました。ベルーシの面白さの片鱗を知るには「アニマル・ハウス」と「ブルース・ブラザース」の2作がベストではと思います。「サタデー・ナイト・ライブ」の傑作集的なビデオも観たことがありますが、当時のアメリカ国内の空気感やノリを体感してない分、理解できない部分がどうしてもありました。生きていたらテンションの高いカリスマ性を持続できていたのか、それとも、違う味を出して勝負していたのか、今となっては分かりません。

 

本作では、地元の高校時代からの交際を経て結婚した妻ジュディスが所有していた写真、音声、映像、ベルーシからの手紙などがレアな資料として使用されています。さらに伝記本用に関係者に取材した時の音声も貴重。回答しているのは、ダン・エイクロイド、キャリー・フィッシャー、ハロルド・ライミス、ジム・ベルーシペニー・マーシャルアイヴァン・ライトマンジョン・ランディス、チェビー・チェイス、キャンディス・バーゲンといった面々。妻から見た、素のベルーシと、関係者から見た、才能溢れるベルーシの両面が感じ取れるドキュメンタリーでした。