「特攻大作戦」 (1967)

 

ならず者が活躍する戦争アクション映画をU-NEXTで観ました。

 

 

監督はロバート・アルドリッチ。予告編はコチラ

 

時は第二次世界大戦。ノルマンディー上陸作戦に先立って、ドイツ軍保養所を襲撃して指揮系統を混乱させようというんで、破壊工作のプロ、ライズマン少佐(リー・マーヴィン)に任務を命じます。作戦実行のために連れて行けるメンバーは陸軍刑務所で死刑や重罪を宣告されている囚人たち。いずれも死んでもいいようなヤツら。セクハラなんかしてる野郎どもにこそ、やらせたいミッションです。で、作戦に成功したら罪を帳消しにするという条件でかき集めた12人のメンバーは一生反抗期が続いてるような問題児だらけ。序盤はガンの飛ばし合いです。荒っぽさなら負けないライズマン少佐は彼らを手荒なやり口で鍛え上げていきます。ライズマンという共通の敵ができた荒くれ者たちの間に少しずつ連帯感が生まれていき、厳しい任務を遂行できる部隊になっていくんだから不思議なもんです。

 

そんな彼らを快く思っていないのがブリーズ大佐(ロバート・ライアン)。ライズマン少佐とは犬猿の仲で、軍紀を乱しかねないならず者たちを忌み嫌って、任務から外そうと企みます。そうはさせじとライズマン少佐は軍事演習での対決を提案。ブリーズ大佐の部下たちが守る司令部を12人が占拠することができるかどうかの賭けをすることになります。あらゆるズルを駆使した"Dirty Dozen"司令部の占拠にまんまと成功、任務の継続を勝ち取ります。今度はブリーズ大佐という共通の敵が現れたことで、12人とライズマン少佐との結束力が強固なものとなっていました。そして、いよいよ本物の戦場での作戦を実行する日となり、ドイツ軍保養所への襲撃に向かうのであったが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

ストーリーはシンプル。今となっては散々繰り返されてきたフォーマット。不良の巣窟にやってきた謎の新任教師が、最初は生徒たちに反発されるも、意地悪な教頭先生に共に立ち向かったりしてるうちに俺たちの味方なんだと気づいて、最後にはかけがえのない信頼関係が築かれていく、みたいな学園ドラマでも使われるパターンの先駆的存在。鬼教官をやらせたら天下一品のリー・マーヴィンの顔力で並みいる乱暴者を手なずけていきます。主要なヤンチャ者はジョン・カサヴェテスチャールズ・ブロンソンテリー・サバラスなど。ドナルド・サザーランドはコメディリリーフ的ポジション。大佐役のロバート・ライアンが意地悪をする役どころを一手に引き受けていて、彼らに理解のある立場に少将(アーネスト・ボーグナイン)少佐(ジョージ・ケネディ)軍曹(リチャード・ジャッケル)を配しています。残り40分の軍事作戦まではユーモアを交えて、登場人物の人間関係構築に時間をかけています。

 

作戦前夜に最後の晩餐のようなシーンがあってからのクライマックスは、イチかバチかの大胆な潜入作戦。 味方の犠牲もありつつ、罪のなさそうな人たちもまとめて爆破する乱暴な作戦をやってのけます。こんなザツな作戦だったのかというのが、改めて観た感想。1967年最大のヒット作だったようです。IMDBトリビアによると、リー・マーヴィンの役はジョン・ウェイン、テリー・サバラスの役はジャック・パランスが当初キャスティングされていたようです。また、ロンドンでの撮影中にウディ・アレンが「007/カジノロワイヤル」(1967)の撮影でロンドンにいたため、お互いの撮影終了後にリー・マーヴィン、チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラスとポーカーをして遊んだとのこと。モハメド・アリも視察に来たとか。なお、ロンドンでのメイキング映像がYouTubeにUPされてました。