「ニッポン警視庁の恥といわれた二人 刑事珍道中」(1980)

 

中村雅俊と勝野洋のバディ物コメディをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督は斎藤光正。脚本は鎌田敏夫。「戦国自衛隊」(1979)のコンビ再び。

 

斑島祥介(中村雅俊)樺屋隆治(勝野洋)のポンコツ刑事コンビが主人公。何をやっても失敗ばかりで、いつも課長(金子信雄)に説教されている二人。ある日、銀行強盗の模擬訓練での犯人役を命じられて、シミュレーション通りに銀行からジュラルミンケースを強奪して車で逃走。人気のない場所に停めてションベンをしに行った斑島を待っていた樺屋がちょっと目を離したスキに何者かに鈍器で殴打されて気絶、ジュラルミンケースを盗まれてしまいます。模擬訓練のはずなのにケースに現金1億2000万円が入っていたというんだから大変です。自分たちが犯人だと疑われた二人は汚名返上を果たすべく、真犯人を見つけようと捜査を開始。


内通者による犯行だと睨んだ二人は、特に根拠もなく、銀行の支店長(穂積隆信)と美人銀行員百合子(風祭ゆき)を尾行。樺屋が尾行した支店長はただの女装マニアだったのですが、斑島が尾行した百合子には秘密がありました。さらに、尾行を勘づいた百合子の自宅に誘われた斑島が浴室で体を洗っている間に、百合子は何者かに殺されていまい、殺人罪の容疑者になってしまいます。その後、粗チンに悩んでることを上司に告白した樺屋ホモ呼ばわりされたり、上の階に住む子持ちの美人ホステスともえ(大楠道代)に性の手ほどきを受けて自信が復活したり、それを聞いた樺屋に憧れている隣人真由美(藤谷美和子)がショックでガス自殺を図ってアパートが爆発したりする展開で話が横道に逸れながらも、女装支店長殺害事件をキッカケに意外な存在が真犯人だと気づいた二人は、最後は豪快な逮捕劇を演じる・・・というのが大まかなあらすじ。

 

タイトルは、「デカちんどうちゅう」と読みます。劇場公開は1980年10月4日。「野獣死すべし」の併映。製作背景がよく分かりませんが、添え物として「戦国自衛隊」チームに手っ取り早くコメディを作らせた印象。主役二人が終始ワチャワチャしてるだけで、低レベルのギャグによるデタラメな世界が繰り広げられています。ウィル・フェレルの「俺たち●●●」シリーズのナンセンスっぷりと似てるかも。というか、企画に「俺たちの勲章」をはじめとする一連の青春ドラマシリーズや「太陽にほえろ!」等を手がけた日本テレビ岡田晋吉プロデューサーが入ってることから、むしろ、本作の方が"元祖・俺たちシリーズ"ともいえます。森川正太等のドラマ絡みのキャスティングが多いようです。終盤で車に轢き殺される大楠道代の成熟した色気とアパートの部屋が爆発する藤谷美和子(映画初出演)の爽やかな色気をはるかに凌ぐ風祭ゆきのサービス精神が素晴らしいです。チョイ役で木ノ葉のこ田中春男伴淳三郎なども出演。角川春樹も。ロケ場面で見る東京の風景が懐かしく、線路を疾走する場面(たぶんゲリラ撮影では?)や電車や自転車に乗る場面、他にも、パトカーやトラック、新幹線、モノレール、飛行機などが所々に映ったりしていて、いろんな乗り物を意識的に映すようにしてました。なぜかは知りませんが。ちなみに、真犯人はこの人でした。