少女隊主演のアイドル映画をAmazonプライムビデオで観ました。初見。
監督はアイドル映画の名手、河崎義祐。予告編もIMDBへの登録もありません。
14歳のしのぶ(少女隊・安原麗子)は、父親の転勤を機に、女学園の寄宿舎へ入ることになりました。その中等部の寄宿舎(クララ舎)で庶民派の菊花(少女隊・市川三恵子)、令嬢風の蒔子(少女隊・藍田美豊)と同室になることに。入舎早々、三人は舎長(樹木希林)より厳しい規則を聞いて、さらに、先輩の指示には絶対服従のタテ社会の習慣を知って戸惑います。規則を破ったり、反抗したりしようものなら、番長格のドミナ玲子(岡安裕美子)による制裁が待ち受けています。それと、夜中に調理室へ忍び込んで寄宿舎で過ごす45人分のドーナツを作って振舞うミッションに成功しないと、新入生として認められないという掟を聞いて実行する三人。なんとか成功した三人は全員に祝福されて、歓迎パーティーがスタート。ここでみんなで歌って踊るコーナーあり。
体育の騎馬戦でケガしたしのぶが車を乗り回す大学生と出会って恋に発展するかと思ったらそうはならないパートがあった後は、菊花のお悩みコーナー。菊花が夜な夜なコッソリ先輩の部屋に通う様子を見てレズビアン扱いする蒔子としのぶ。実はマンガ家を目指して新人賞応募のために先輩と一緒に夜間作業をしてたこと、両親がマンガ家になることに反対してること等を聞かされるパートがグダグダ続きます。で、次は文化祭の演劇で学園一のマドンナが急病で出演できなくなった緊急事態で蒔子が代演して活躍するパート。最後は、蒔子としのぶとが菊花の家を訪ねて両親を説得してマンガ家になる夢を応援してもらう約束を取り付けるエピソードで映画は終わります。
公開日は1985年2月9日。吉川晃司主演の「ユー・ガッタ・チャンス」の併映。原作は氷室冴子の少女小説『クララ白書』。Wikiを見る限り、第5章までのストーリーをまとめた感じ。たわいもないエピソードを重ねて、それぞれの場面でのアイドルたちのリアクションを愛でることが目的の映画。大人の役者は冒頭と終盤に出てくるだけで、ほぼ全編、女子寮の中の物語が展開されます。裸要員が登場するお風呂シーンもあり。菊花の父親役がコメディアンの東八郎、しのぶの父親役が先日亡くなった宝田明。あとは、寮母的存在の樹木希林が目に付く程度。事務所の先輩、松本伊代も冒頭でちょっと顔見せ程度に出演。
昭和の時代にはフジテレビ系の『月曜ドラマランド』でもそういったアイドル主演ドラマが多く放送されていました。本作での彼女たちは「男を知らないでしょ?」と言われて「知ってるよ。パパも弟も男だもん。」と言い返すような、バカ一歩手前の純真な戯言をのたまう女の子像を棒読み気味に演じてます。少女隊は1984年にデビュー(映画のサブタイトルはデビューアルバムのタイトルのようです)、1989年に解散。当時、等身大のぶっちゃけトークをするアイドル像へとシフトしていく時期だったので、自己主張が弱めの少女隊は印象が薄めでしたね。ただ、アジア進出に関しては先駆的な存在で、韓国で有名だったのは知ってましたが、東南アジアにもツアーをして人気だったことは知りませんでした。香港映画「HOW ARE YOU MY FRIEND/少女隊・青春節拍」(1985)にも主演していたようです。ちなみに、私のタイプはレイコです。

