「狂乱の日々 デス・ロードの戦い」(2017)

 

巨匠のドキュメンタリーシリーズの第4弾をYouTube(無料配信)で観ました。

 

 

 

今回は、ジョージ・ミラーと監督作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015)について。紆余曲折を経て、完成までに約20年を費やした大傑作の舞台裏を、製作陣と出演者の証言を交えて構成しています。内容はWikipediaに書かれてることでしかありませんが、本邦初公開の映像も多いとか。登場するのは、ジョージ・ミラー、ダグ・ミッチェル(製作)、ブレンダン・マッカーシー(脚本)、コリン・ギブソン(美術)、ピーター・パウンド(車両デザイン/絵コンテ)、マーク・セクストン(絵コンテ)、ガイ・ノリス(第2班監督/スタント・コーディネーター統括)マーガレット・シクセル(編集)、ジョン・シール(撮影)、P・J・ヴォーテン(製作/第1助監督)、トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ヒュー・キース=バーンなど。この中では、温和ながら意志の強さを感じたマーガレット・シクセルの語りが良かったです。

 

印象的なのは、全シーンが絵コンテ(約3,500コマ)で書かれていて、完成した映画は絵コンテ通りであったということ。300もあるスタントシーンを撮るだけ撮って、編集時点で面白さ優先で好き勝手に繋いでしまったら、根底にある物語としてのペース配分がおかしくなってしまうので、当初のビジョン通りに仕上げ切ったのはさすがだと思いました。一方でアクションの連続のため、言葉数の少ないキャラクターたちがたまに発するセリフにどんな感情を込めればよいのか、俳優陣が戸惑ったというエピソードも頷けました。完成した映画の出来栄えを観て、監督が目指していたことがようやく理解できたと正直に謝罪していたトム・ハーディに好感を持ちました。

 

2000年初頭にメル・ギブソン主演で作られていたら、その後にヒース・レジャー主演で作られていたら、たぶん、大傑作になっていなかったかもしれません。やっぱり、フュリオサはシャーリーズ・セロンじゃないとなあなどと思っていたら、また観直したくなってきました。