「キング・オブ・シーヴズ」(2018)

 

マイケル・ケイン主演のケイパー物をU-NEXTで観ました。

 

 

お年寄り窃盗集団の物語。監督はジェームズ・マーシュ。予告編はコチラ

 

カッコいいオープニングクレジットから始まります。"キング・オブ・シーヴス(泥棒の王様)"と呼ばれた伝説の男、ブライアン(マイケル・ケイン)。裏社会から足を洗って、最愛の妻と悠々自適の老後を送ってましたが、最愛の妻が死去して大ショック。意気消沈のところへ、知人の若造バジル(チャーリー・コックス)から大仕事の話を持ちかけられます。ロンドン最大の宝飾店街ハットンガーデンの宝石店へ夜に忍び込んで、宝石を強奪するというもの。ブライアンは昔からの悪友を集めて犯罪を実行、と思ったら、ブライアンが途中で離脱、残りのメンバーで計画を続行、わりとアバウトな準備にも関わらず、すんなりと成功するんですが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

クセ者ぞろいの仲間を集めて、大胆な犯行を計画・実行、そして仲間割れ、警察の捜査が迫る、どうなる?というオーソドックスな犯罪映画の展開で、夜中に人のいない宝石店に侵入して壁を壊したり、セキュリティを解除したり、それなりの犯行シーンはあるものの、スリリングに描こうとはあまりしておらず、ミッションに成功しても、犯罪モノ特有のカタルシスはほとんどありません。今作の特徴は、集結した老人たちの個性のぶつかり合いがメインになっている点。血気盛んな男たちの殴り合いといったようなアクション風味の対立ではなく、持病持ちで食えないジジイ同士のセコイ言い争いが全編を通して繰り広げられます。病院の待合室や地元商店街の寄り合いでの爺さんたちの世間話が口ゲンカに発展していくようなサマを見させられている感じ。ブライアンが集めた仲間は、テリー(ジム・ブロードベント)ケニー(トム・コートネイ)ダニー(レイ・ウィンストン)カール(ポール・ホワイトハウス)といった顔ぶれで、マイケル・ケインを含めた彼らの年輪を重ねた味わいだけで画面を持たせているともいえます。IMDBトリビアによると、ダニーを演じたレイ・ウィンストンと実際のダニーとは学生時代、同じ学校に通っていたとのこと。

 

2015年に実際に起きた事件がベースになっていて、4月のイースター(復活祭)の休日を狙って、平均年齢60才以上のメンバーが無人の宝飾店街で大胆にも25億円相当の宝飾品をやすやすと盗み出したようです。イギリス国内では多少話題になったらしい事件の映画化とはいえ、国内でも良い評判を得られなかったぐらいですから、実話であることを知らない自分からしたら、ストーリー自体の面白さがないため、楽しめるポイントが見つけられないまま、映画は終わりました。マイケル・ケイントム・コートネイレイ・ウィンストンたちが若き犯罪者だった頃の映像として、実際の役者たちが昔出演していた映画の一場面を使用しているところだけは遊び心があったかなあぐらいです。映画自体にキレやメリハリがなく、何らかの疾患を抱えてる老人のようでもあり、他人が持病を語り合っているのを聞くのがたまらなく好きな方々にだけはオススメできる作品かもしれません。