「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」(2019)
オリヴィア・ワイルドの監督長編デビュー作をU-NEXTで観ました。
女子高生コンビを主人公にした素敵な学園コメディでした。予告編はコチラ。
LAの進学校の卒業式の前日。高校生活を遊びながら満喫していた同級生たちが、ほぼ勉学一筋だった自分たちと同じレベルの名門大学に進学することを知って、高校生活最後の夜だけでもハジけて過ごそうと思った2人が(誰にも招待されてない)卒業前夜パーティーに乗り込んで暴れまわろうとする卒業前夜から卒業式当日の騒動を描いたお話。
人生の最終目標は最高裁判事という生徒会長のモリー(ビーニー・フェルドスタイン)、卒業後はボツワナで人道援助活動に従事する予定のエイミー(ケイトリン・デヴァー)。いつも2人でつるんで自分たちだけで通じるジョークを言い合っていて、遊び惚けている連中を見下してもいて、周りからも絡みづらい堅物コンビとして一定の距離を置かれています。同級生の面々は、典型的なチャラ男だけど、実は周りへの気配りが抜群の副生徒会長ニック、ノリでビッチ扱いを演じているけど内心は傷ついてるアナベル、ボンボンで空気が読めないキャラだけど純粋なハートを持つジャレッド(スカイラー・ギソンド)、奇人だけど義理人情に厚いジジ(ビリー・ロード)、ツンデレ美人だけど秘めた優しさを持つホープ(ダイアナ・シルヴァーズ)、ゲイのアランとジョージなど。
卒業前夜にタガが外れて暴走するモリーとエイミーたちが巻き起こす大騒動の顛末を単純に楽しめるのと同時に、大騒動の合間に初めて心の内を明かし合って等身大の人物像を理解し合う青春群像劇の温かさも味わえて、クライマックスの卒業式当日のシーンになる頃には登場人物全員を愛おしく感じるようになっています。高校のトイレが男女兼用になっていることが象徴するように、これまでの学園ドラマにありがちな人種や容姿に対する中傷から始まる生徒間のイザコザもなく、ジェンダーへの意識が現代の価値観にアップデートされた世界を前提にして、ありがちなティーンのバカ騒ぎを展開している点がとても素晴らしいです。
校長役にはオリヴィア・ワイルドの夫、ジェイソン・サダイキスが演じています。また、ウィル・フェレルがプロデューサーの1人を務めています。Wikipediaによると、映画化されずに10年近く眠っていた脚本に感銘を受けたオリヴィア・ワイルドが監督をすることで映画化が動き出したそうです。モリーとエイミーがドラッグでハイになってバービー人形になる幻想シーンは彼女のアイデアとのこと。インスピレーションを受けた映画は「初体験/リッジモンド・ハイ」(1982)、「ブレックファスト・クラブ」(1985)、「バッド・チューニング」(1993)、「クルーレス」(1995)のようです。続いて、IMDBトリビアによると、劇中ではエイミー(ウィル・フォーテとリサ・クドローが両親役)がレズビアン設定になっていますが、現実世界ではモリー役のビーニー・フェルドスタイン(ジョナ・ヒルの妹)の方がレズビアンだそうです。また、ジジの演技が面白くて、撮影中にビリー・ロード(キャリー・フィッシャーの娘)のパートが増えたとのこと。
