ユキダルマの恋愛事情 -4ページ目

心のざわざわ

eHarmonyとmatch.comからのたくさんのメールのおかげで、すっかり気が大きくなっていた私は、「オスカーの方から電話をかけてくるかどうかみてみよう」などとほざいていたくせに、結局仕事終わりに自分から電話していた。


「今夜のご予定は?」

「どっかに行きたいなあ。とりあえず、途中の駅まできたら、また電話くれる? 考えておくから」


ありがちになっていたお家デートでないということに、ちょっと驚いた。うれしい驚きだった。


「メキシコ料理はどう? おいしい店知ってるんだ」

「いいねえ」


会ってからもオスカーは絶えず私に話しかけ、優しく親切だった。初めてのデートのときと同じほどの気の回しようだった。ささくれだっていた私の心も少しずつ潤されていく感じだった。


「今日のオスカーはずいぶんスィートじゃない?」

「うん、結婚のことを考えなくなったら、気が楽になった」

「そうなんだ」


また心がざわざわした。でも、今日のデートは楽しかった。いつかざわざわも気にならなくなっていた。