「英語で映画が観たい」
英語学習者からよく聞く希望です。
この気持ちは非常によく理解できます。
しかし実際は、
帰国子女などではない日本で英語を勉強する学習者にとっては、
限界があります。
「日本語と同じように」
とは、残念ながらなりそうにありません。
それは、
映画を初見で観て
英語で全てを理解することは無理だろうという意味です。
それでも、
全ての英語が分からなくても、それなりに
英語で映画を楽しむ方法はあります。
例えば、
・最初に1回、或いは何度か日本語で観て
ストーリーやセリフを理解した上で英語で観る。
・英語字幕を表示しながら観る。
・部分的に英語/日本語の対訳を確認しながら観る。
私もこれらの方法で映画を英語で楽しんでいます。
日本語吹き替えを参考にしながら英語で観ていると
様々な発見があり、
映画の楽しみにに加えて
”英語を楽しむ”ことができるように思うことがあります。
英語と日本語の違い
映画を英語で観ていると、
英語と日本語の違いを感じることがあります。
例えば、
「昔はね」
と言いたい場合、
「昔」を意味する英語
long agoやin old times
といった表現を使わず、
動詞の形や助動詞で表現することが英語にあります。
例として、
「あなたは医者なのでしょう?」
"You are a doctor, aren you?"
言われた時に、
「昔はね」とう場合、
"I WAS."
などと言います。
つまり、
You are ・・・
と現在形で言われたのに対して、
"I WAS."
と過去形にするだけで
「昔はね」
という意味になっています。
このような英語の特徴は、
頻繁に出くわすことがあります。
映画で登場した例です。
映画『Deep Impact (ティープインパクト)』
(公開:1998年)
のワンシーンです。
ネタバレあります。
主人公の女性ジャーナリスト「ジェニー」が政府のある秘密を追っています。
それが理由で、FBIに捉えられてしまいます。
そして現れたのが、モーガンフリーマン扮するアメリカ大統領です。
大統領はジェニーに、
「取材で知りえた”情報”を(一定期間)口外しないように」
と言いますが、ジェーは、
「ジャーナリストとしてそれは出来ない。国民には知る権利がある。」
と断ります。
その”情報”とは、アメリカだけでなく世界を揺るがす非常に重大で、国家機密レベルのものだったのです。
大統領はジェニーに対して、
「(これは”交渉”レベルのものではなく)
その気になればあなたを拘束することもできるのですよ」
と明言します。
つまり、世界の平和を守る義務がある大統領としては、この会話が「対等ではない」と言っている訳です。
そこでジェーが大統領に要求を出します。
①「(口外するなということであれば)条件があります。」
それに対して大統領が言います。
②「条件(だって)?」
これを聞いたジェニーは、対等ではないということを改めて認識します。
そして一時、間を置き、良い直します。
③「~ させて下さい。」
このやり取りの英語が、
どことなく英語らしいと感じました。
①~③の英語のセリフがこうです。
ジェニー
①「(口外するなということであれば)条件があります。」
"I want ・・・"
大統領
②「条件(だって)?」
"I WANT?"
ジェニー
③「~ させて下さい。」
”May I ~”
ジェニーが①で「希望(~したい)」を言います。
それに対して大統領は、
「”したい”だって?」
という意味で、吹き替えは
「条件(だって)?」
となっています。
そこでジェニーが
「May I ~」と
may I を使って丁寧な「許可を求める質問」に
言い換えたわけです。
このやり取りは、英語では単に
ジェニー: "I want"
大統領: "I WANT?"
ジェニー: "May I ~?"
このようになっています。
この例では、
英語と日本語の表現の違いを見ることができます。
また、I want と May I の持つ意味とその強さの違いを学ぶことができます。
実査にこの映画の場面を観て頂かないと分かり難いかもしれませんが、この例のように、映画に登場する英語を読み解くことで、いろいろと学ぶことが出ると感じています。


