タイトルが怪しいですが、タイトルどおり。山下達郎御大と竹内まりや奥方がラジオ番組で、達郎御大のレコード・コレクションについて語ったアーカイブがネット記事になっていたので、ここでご紹介致します。
最近は City Pop の興隆と共に再評価著しい御大ですが、その音楽以上に私にとって重要なのが”レコード・コレクターとしての”山下達郎氏である。彼と奥様の証言から彼のレコード・コレクションを紐解いていこうではないか!
注:以下の内容は全て、下記リンクのアーカイブからの抜粋+私の感想です
1.
オーディオ環境:
(山下達郎)
「私、全然そんな通でも何でもないです。非常に標準的なセッティングで聞いてる人間なので。オタクになったらもう、際限がありませんからね。奥深すぎて、もうすごいことになってます。
90年代に揃えたセットで全然今でも、CDプレーヤーからレコードプレーヤーまで全部、あれですからね。40年選手ばっかりなので。こだわりないっていうか、その音じゃないと嫌なんです。今の音じゃ、嫌なんです。だから昔のセットですね。でも今のレコードプレーヤーだと、あの音はしませんから。 」
★★★ う~む、オーディオに関してはオールド・スタイルの環境を好むと。昔の音を聴くなら、昔の環境で…ということですかね?とは言っても、その当時のハイレベル・セットで聴かれていることでしょう(羨)。
レコード収集事始め:
(杉浦友紀)どんな風にこの好きな音楽とか、新しい音楽は?
(山下達郎)ラジオです。全部。
(杉浦友紀)ラジオで。それで気に入ったら、買えればレコードを?
(山下達郎)買えれば、買います。あとは、聞いてたのはFENなので。それが70年代の話で。それで、ようやく『MOONGLOW』ぐらいで何とか生活が立つようになって。後はもう、とにかく稼いだ金を全部レコードっていう。で、まだ安かったんですよ。
(杉浦友紀)ああ、その当時は?
(山下達郎)LPが1枚で下手すると何十セントで買えていた時代で。だからメーター買いですよ。
(杉浦友紀)「メーター買い」?
(山下達郎)電話帳みたいなカタログが来るんですよ。それを、片っ端から……1枚25セントだから。片っ端から(メートル単位の高さになるほど)買って。その時のあれが一番買いましたかね。
★★★ 安かったらもう、見つけ次第買うんですよ、君!メーター買いなんだな、メーター!安けりゃ爆買いあるのみ!
注:杉浦友紀さんはNHKアナウンサー
レコードをどこで買う?:
(山下達郎)私、それしか趣味がないんですよ。趣味:レコード収集。ストレス解消:レコード収集。
(杉浦友紀)今もその、レコード屋さんにも行くんですか?
(山下達郎)今はほとんどネットですね。
(杉浦友紀)ああ、ネットなんですね。ネットで、その海外だったり、国内のサイトを見て?
(山下達郎)そうですね。ほしいやつはネットで見てオーダーをして。あとは、向こうからカタログが来ますんで。昔は紙のカタログであれしましたけど、今はネットだと試聴ができるんですよね。
(杉浦友紀)ああー、そうですか。えっ、そのレコードの音が試聴できる?
(山下達郎)音が試聴できます。それで、見てるやつがみんな、いわゆるカルトなサイトばっかりなんで。見たことも聞いたこともないやつばっかりなので。そういうのを片っ端から聞いて、いいやつを選ぶっていう。それは、いいんですよ。ムダがなくて。
★★★ 今更国内レコ屋に行けないよなぁ…。行ったら行ったで、
「隣で掘ってる奴見たら達郎だった!ワロタ!」
とかツイッター(今はXですかね?)にUPされそうだし。ネットって言っても、ヤフオクも『山下達郎』が本名なら、流石に住所晒して買うのも嫌でしょうし。有名人は有名人なりの辛さがありますね。そうなると海外一択でしょうか。
ただ、『見たこともないレコを試聴して買う』というのは自分と同じだったので、ちょっと嬉しくなりましたね(笑)。あぁ~同じなんだ、御大!
因みに本文は、Beach Boys, Rascals 等のオリジナル盤コンプリートも目指してるそうです(コンプリートも間近とも)。
CD収集:
(杉浦友紀)こう、同じレコードで何枚も揃えるとかも、あるんですか?
(山下達郎)CDの方が多いですね。CDはボーナストラックが違うから。だから前に買ったやつを捨てられないんですよ。あとCDはね、80年代にCDが出たばかりの頃の方が、それまでの……オールディーズですけどね。新譜じゃなくて、オールディーズに限っては、マスターの状態がその時代の方がいいんで。だからCDのクオリティーとしては音がそんなに良くないんすけど、その頃のマスターの状態がいいから。それを今、リマスタリングにしたもの……今、出ている、マスターが劣化したやつをリマスターしたものよりも全然いいんですよ。だから、捨てられない。
(杉浦友紀)ああ、じゃあCDはもうどんどん、同じ作品もたまっていったり?
(山下達郎)もう無限的に増えていきます。
★★★ レコード・オンリーと永らく思ってましたが、何とCDも??しかも80年代に出た、一般的に音が悪いと言われる時期のCDを(驚)!そうか、御大もマスター・テープ至上主義なんですね。なるほど。
2.
レコードの管理:
(山下達郎)レコードルームはやっぱり除湿機を常備して。夏は特にまめに除湿機でやんないとカビるので、それは。
(上柳昌彦)そうかそうか。そのレコードルームっていうのは、どれぐらいの枚数があるんですか?
(山下達郎)6万枚。
(上柳昌彦)6万枚。この渋谷のタワーレコードの店長さんは2万枚って言っていたけど。
(山下達郎)立派ですね。年齢を考えれば。
(上柳昌彦)そうですよね。どうやって保管されているのかしら?
(山下達郎)どうやっているんでしょうね? 部屋をひとつ借りてるとか、そういうやつでしょうね。
(上柳昌彦)6万枚は、インデックスみたいなのがちゃんとあって?
(山下達郎)A-Zになっていて。
(山下達郎)で、コンピレーションは業者に頼んで、リスティングしてもらって。全部エクセルになっています。コンピレーションは何が入ってるか、わかんなかったら持ってないのと同じなんで。
(上柳昌彦)そうですよね。それも全部?
(山下達郎)それは2年半ぐらいかかりましたかね(笑)。
★★★「コンピレーションは業者に頼んで、リスティング」…ここの意味が今一つ分からなかったんですが。普通”コンピレーション”とは音楽業界では”編集盤(ベスト盤の類)”。つまり持ってるレコ&CD編集盤のタイトル等の入力作業を、業者に依頼してる…?何れにしてもそれが、「全部エクセル」に入ってるって(ハァハァ…)。では編集盤以外の通常リリース(オリジナル盤)はどうなってるんだろう?編集盤だけエクセル管理ってことはないように思えますが…。
以前から不思議に思ってたんですよ。自分の持ってるレコが「6万枚」と断言してるのが。「6万枚」って数は凄いんですが、『6万枚持ってると知ってる』のはなぜだ?と。つまり自分で数えて管理してないとあり得ないわけですよ。
このブログを読んでる方は多分、所有枚数はいいとこ1000枚単位ではないだろうか?私もそうだし。そんな程度でも数えるの面倒だし、何しろ定期的に売り買いしてるので増減も半端ない。それが万単位…(汗)。
レコード棚の掘り方:
(上柳昌彦)「ジャケ買いをすることはありますか?」って。
(山下達郎)ジャケ買い、しますよ。
(上柳昌彦)しますよね。早そうですね。あのアナログレコード、LPをバーッとやるのも。
(山下達郎)若い頃はバーゲンだったら誰にも負けませんでしたね。ゴム引き軍手がね、いいんです。運送屋さんが使うゴムがついているやつ。あれで、LPをね、後ろから行くんです。こう、両手で。
(上柳昌彦)ああ、向こうからこっちへパタパタしていくんですか?
(山下達郎)向こうから、こう……そうすると、トップが見えるでしょう? トップが見えると、大体予測がつくんですよ。で、シングルはそういうわけにはいかないんで。特に外盤はジャケットがないんですね。それは前からしこしこと見ますけどもね。
(上柳昌彦)早いと。
(山下達郎)誰にも負けませんでした。今はもうダメですけど。
★★★ 達郎御大も、高速でレコを掘られてたんですか?…更に好きになりました(笑)。
注:上柳昌彦さんは元ニッポン放送アナウンサー(現在はフリーアナウンサー)
3.
地下室のレコード棚:
(竹内まりや)地下室にあるんですけども。なんていうんでしょう? 国会図書館にあるような電動のスチールの棚なんですけども。それが12列、あるのかな? それがボタンを押すと自動的にウィーンって。「今日はこの列から」ってウィーンと動かして。で、アナログをここから1枚とか。それをやっている時の達郎がたぶん、一番幸せそう。夜中までレコード整理をしていたり。あとは送られてきた海外のオークションで買った貴重なシングル盤を揃えて入れていたり。アルファベティカリーに入っているんですよ。
(杉浦友紀)アルファベット順なんですね。
(竹内まりや)だいたいそうですね。あとはこう、ジャンル的な分け方もしていたりするんですけども。だから時々、私も「なんかあれが聞きたいな」ってなるとそこに行って。ウィーンって勝手に入って。それで聞くじゃないですか。それを私、戻さないことが多いんで。そうすると、すごく叱られるの(笑)。「これ、ちゃんと戻せよ」って言われて(笑)。
★★★達郎御大、半端ないっす(涙)。電動スチール棚が12列!? どええええぇ~!そしてそれを勝手に動かして、レコをちゃんと戻さないと奥様をどつくと(嘘)。ええ話やぁ~。挙句、シュリンクや帯を破ったとか、盤にキズ付けたとか言ったら…破滅が待っているでしょう(笑)。
どうも御大御自身は、この辺りの事をあまり話したくはないようで。最初の2つのリンクを読んでみると分かるんですが、「金を持ってるから6万枚」とかって言われるのが嫌みたいですね。だからコレクションの管理にも金が掛かってるのを知られるのも嫌なのかも。しっかし、やっぱり御大凄いっす(驚)。
CD棚も:
(杉浦友紀)(達郎御大のレコード棚の写真を見て)先ほど、私も僭越ながら拝見させていただいて。天井から床まで棚は結構高さがあって。
(竹内まりや)でもNHKにもそういうのがあるでしょう?
(杉浦友紀)だからラジオ局とかテレビ局にあるような……。
(竹内まりや)そうそう。ラジオ局のレコード室みたいな感じかな?
(杉浦友紀)これがご自宅にあるのはすごいですけども(笑)。ちょっとびっくりしたのがレコードがずーっとレコードっていうわけでもなくて。片面レコードのところもあれば、片面がCDのところも……。
(竹内まりや)あとはCDだけの棚も別にあったりとか。まあ、彼の中でいろいろと分類がされていると思うんですけども。
★★★「CDが無限に増えてる」の証言を裏付けるように、CD専用の棚もあるそうです。
おまけ(下は自室の一角):
少し棚が緩くなってるのは、たまに「これはもう要らんな…」というレコを抜いて売ってるから。御大に遠く及ばず(無念)!
おまけ②(最近の収穫?)
Mirk Well's groups - With the Beatles ビートルズとともに ( Westone Record HRE - 017 ) 国内盤 LP 見開きジャケット 500円
全裸の美女が生け花をしているジャケの Beatles編集盤?以前どっかで見たな…激レア盤か?とブックオフで買ってしまいましたよ500円。Discogs にもググってもこんなレコは出て来ません( ⇒ 改めてDiscogs見たらありましたw。適価でした)。写真が写真なだけに、このジャケ写真も削除されるかも(そうしたら、訂正加工済みの写真をUPしようかな?)。
多分、ストリングス系の匿名希望楽団が演奏しているだろう…的な感じで購入。ジャケット裏は風船売りのオヤジ+豪華客船+芝生公園…と意味不明。内側は、
茶色カビの猛攻撃で悲惨な状況(涙)。でもビートルズ写が救ってる。トラック・リストはこれでもか系でコメントなし。Imagine が入ってるし、70年代中頃のレコ?裏ジャケには『レコード制作 東芝音楽工業株式会社』となってるし。こんなもんを東芝音工が1,700円で売るってどういう状況よ?
盤はきれいでした…というか、これを擦り切れるほど聴く奴はいまい。ストリングス満載のインスト集?実際にターンテーブルに乗せると…エッ?何このダークダックス系の連中?ストリングス皆無で、匿名希望のダークダックス系集団の合唱が鳴り響きました…(絶句&終了)!
帯もインサートもないですが、帯付き見つけたらヤフオクで6桁にして売ってやろう(多分誰も買わないだろうけどw)。つづく…
★ひっくり返ります★ ↓↓↓