久々にドキドキしたこと&心理学博士が興味深かったこと | 精神療法士ミミネコのブログ:Let there be light     

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地球が光溢れる場所になることを願って。

今日は、久しぶりにドキドキしました。

 

胸のときめきとか、そういうのではなくて、不安でドキドキする方ね。

 

9月末までに、アメリカのカウンセラーの免許を更新せねばならず、そのためには、あと4単位分、セミナーを受けねばならず。

 

それで、今日、4時間のセミナーをオンラインで受けたのですが、それについては心配なかった。受ければいいだけだし、そのあと理解しているかどうか、テストがあるのですが、テストは講義を聞いて理解していればまず合格できるものなので(聞いてなかったらまず絶対できないやつだけど)、まず問題ない。

 

セミナーを受け終わった後、アメリカの、ミミネコが属するカウンセリング委員会のホームページに行って、手続きをせねばならなかったのですが、これが一筋縄でいかないやつで、ドキドキハラハラしました。

 

どういうふうに一筋縄でいかないか。

 

まず、数年前から、サイバーテロ防止のためかと思うが、ホームページ自体、入れなくなった。

 

入れないのは自分の家のパソコンがおかしいのかと思い、スマホ、インターネットカフェ、職場のパソコン、知人のパソコンと、いろいろな媒体からアクセスをしようとしたけど、どうしてもダメ。パソコンに詳しい、もとSEの知人に相談したら、たぶん、アメリカ国外からのアクセスができないような設定にされている。信号を暗号化して、どこからアクセスしようとしているかわからないようにするサイトがあるから、そこから入るようにといわれまして、なんとか解決。

 

それが2年前、前回の免許更新のこと。

 

その時は、それ以外にも、免許更新のための個人情報として、住所を入力するのが、アメリカの州とか、zip code(郵便番号みたいなもの)を絶対いれなきゃ前に進まない仕様になっていて、日本に住んでいるのに日本の住所が入れられなくて、委員会に問い合わせてやりとりしながら、なんとかかんとか、更新できた。

 

あのわけのわからん苦労を再び味わなければならんのか、と思い、今回もドキドキしたというわけです。

 

実際、今日も、入力したくでもできない項目があったり、どこも触ってないのに、決定キーを押すと、勝手にローマ字の名前が漢字になって保存されたり、しかもそれを直そうとしてもどうしても元に戻れず修正不可と、波乱はございました。ローマ字で入力してるのに勝手に漢字の名前で保存。どうなっとんねん。そもそも、読めんやろ、アメリカ人の委員会の人。免許のカードに印字するとき、漢字でどうすんねん。なんで修正できないねん。

 

まあ、知らんわ。なんとかなるやろ。最終的に更新料の支払いまでこぎつけたので、よしとしよう。金さえ払えばこっちのもの。これで免許は更新にならんとはいわせん。

 

と思い、今はホッとしているところです。ああ、肩こった。

 

で、話は変わるが、今日、さっきまで受けていた4時間のセミナーで、ちょっと思うところがあったので、書きたいと思います。

 

EFIT(Emotional Focused Individual Therapy)というセラピーに関するセミナーだったのですが、内容は、すでに自分のカウンセリングで(そうとは知らず)取り入れているようなテクニックだったので、まあ、セオリーは理解できるし、よかったのですが。

 

プレゼンターの心理学博士の言動が、ちょっと興味深かった。

 

60代くらいの女性の博士だったのですが、講義の途中で、自分のカウンセリングのビデオを流しました。クライアントの同意を得られたのでしょう、クライアントの顔も映っていたのですが(アメリカではよくあること)、かいつまんでいうと、幼少期に何度も性的虐待にあって、それを誰も助けてくれず、抑圧してなかったことにして生きてきた若い女性のセッションでした。このクライアントは、ずっと気持ちを麻痺させてきたので、痛みを表現できず、泣けません。そこへ、この博士がEFITの手法を使って、幼少期の感情にアクセスし、泣けなかった気持ちを解放して、今、泣かせようとする。

 

博士「あなたは、ひとりぼっち。誰も助けてくれない。一人でベッドの下に隠れておびえていた。自分は誰にも愛されていないんだ。そうでしょう?そう思ったのでしょう?」

 

クライアントは無言でうなずくが、表情を変えない。

 

博士「ああ、なんてつらかったんでしょう。耐えきれないような痛み。まるで化け物のような。とっても怖かったに違いない。泣きたかったしょう。小さなあなたは泣きたかったに違いない。泣いていいのよ。」

 

クライアント、うなずくが、感情的になることはなく、冷静にジュースを一口飲む。

 

これを延々繰り返すもので、見ていると、なんか、必死で泣かせようとしている様子がわざとらしく思えてきたミミネコ。いつまでたってもクライアントが泣かないもんで、ついに博士、

 

「ああ、なんて辛いのかしら(涙声)。私が泣きたくなってきた。ああ、一人ぼっちで、小さな子供がこんな思いを抱えて。寂しい、怖い、私は誰にも気づいてもらえない。あなたの代わりに、私が泣いてしまうわ。」

 

と、あろうことか、涙をにじませ始める。

 

クライアントはまだ冷静なまま。


といった感じで、この博士のやり方はマネしたくないなあと思ってしまいました。確かに感情にアクセスするのは大切だけど、

無理やり泣かせようとするより、感情と乖離していて泣けないクライアントだったら、自分なら、ここまでしつこくしないで、別の方法を試すなあ。

 

現に博士、

 

「あるクライアントに、あなたは同じ言葉をずっと自分に言い続けてくるが、聞いていてうざい、と言われたことがあるわ。」

 

そりゃ、そうやろな。ミミネコも、聞いていてそう思ったもんな。と思いきや、

 

「でもね、カウンセラーたるもの、何と言われようが、うまずたゆまず、続けなければならないのよ」

 

続けるんかい。これを。

 

ほかにも、この博士をみていて、自分だったらこの人のクライアントにはなりたくないなと思ったのは、この人の頑固さとか短気さみたいなものが、講義の端々に、ちらっと見え隠れしたからでした。

 

例えば、講義中、セミナーを受けている視聴者の我々に誘導瞑想のエクササイズをさせたくだりがあったのですが、その時の、優しい静かな声と対照的に、

 

「やっている最中、申し訳ないけど、もうすぐ休憩時間だから」

 

と、技術担当の男性の声が割り込んだとたん、イラっとした顔と声になって

 

「わかってるわ!もうすぐ終わるから黙って!」

 

といったり。

 

途中で、画面に映しだされていた配布資料のパワーポイントのページが前に進まないトラブルが起きたとき、

 

「まあ、いいわ。このまま資料の映像なしでしゃべり続けるわ。視聴者は手元に印刷した資料があるでしょうから。」

 

といってしばらくしゃべっていて、いち視聴者としては、今、資料のどのページがわからなくなったので、非常にやりづらかったのですが、技術担当の男性がたまりかねて、

 

「ここをこういう風にして、このボタンをクリックしたら、画面が直るかもしれないからやってみて」

 

と口をはさんだ時

 

「いや、もういいのよ!私は資料なしでいくから。」

 

と譲らない。

 

しばらくたって、また技術担当者が、恐る恐る

 

「頼むから、画面を直すように試してみて。視聴者からお願いしますってメッセージがきてるから。」

 

というと、ようやく試すというありさま。

 

その人のひととなりって、こういう、何気ないところで露出するよなあ、自分も気をつけなきゃ、と思いました。

 

なんだかんだで、違う意味で面白いセミナーでした。