朝6時半に目が覚める。数日前から土佐の関所と呼ばれる難所、神峯寺に近い宿を探すが見つからず、ようやく香南市の宿が確保できたところであるが、それでも難所をクリアして長距離を走らねばならないため、今日は近くの札所を回り室戸市に宿泊する予定である。

 朝食まで時間があるので室戸乱礁遊歩道を散歩する。

 アコウの木。

 「室戸乱礁遊歩道 植物解説」説明が充実している。

 

 

海岸から見た室戸岬灯台。

 灌頂が浜の奇岩。弘法大師が仏と縁を結ぶ灌頂の会式を行なったことに由来するとか。

 ススキと岩礁。

 坂本龍馬とともに近江屋事件で犠牲になった陸援隊の中岡慎太郎像

 もしやこれは、サボテンの仲間?

 駐車場には、クジラのモニュメント。

 展望台からの風景。さすがジオパーク。

 宿に戻って、7時半に朝食。焼いたカマス他、朝食も充実していて美味しかった。

 朝食を終え、女将さんに43年前、室戸岬を訪れたとき、海岸の潮だまりにオタマジャクシがいて、ずいぶん不思議に思ったことを告げると、それは「目洗いの池」であろうと答えてくれた。真水がわいていて、以前は金魚が泳いでいたが、今は水位が下がって荒れているとのこと。さらに遊歩道を案内してくれた。

 弘法大師尊顔の大岩。遠くから見ると、口を閉じ念じているように見える。

 近づくと、口が開き安堵したような顔になる。

 この女将さん、植物に詳しく、いい香りのする植物や食べられる植物など色々と教えてくれた。

 「目洗いの池」には女将さんと別れて一人で行った。

 確かに荒れているが、学生の頃の疑問がようやく解決した。

 駐車場にある木製展望台。

 ここには、室戸ニャンコがいた。片耳の先がカットしてあるので地域ネコのようだ。

 シャム猫みたいのもいた。

 8時半出発。津照寺を目指す。

 参道の入り口には「遍路の駅 夫婦善哉」。何か懐かしい屋号である。金目丼やお弁当もあるらしい。

 第25番札所 宝珠山 真言院 津照寺

 本堂は丘の上にある。

 お寺からは漁港が一望できる。

 ご本尊は、地蔵菩薩(楫取地蔵)。真言は、おん かかかび さんまえい そわか 無病息災、五穀豊穣、交通安全、水子祈願、安産、子授け、子供守護、先祖菩提、戦勝祈願など。

 次は金剛頂寺。途中、カメのバス停発見。

 金剛頂寺は山の上にあるが、電動アシストでなんとか登れる坂道。

第26番札所 龍頭山 光明院 金剛頂寺

 境内の様子。

 癌封じの霊木がある。

 標高が高いだけあって景色もよい。

 ご本尊は、薬師如来。真言は、おん ころころ せんだり まとうぎ そわか 病気治癒(特に目病)、健康長寿、災難除去、安産祈願、現世利益。

 境内の奥には、牧野博士が新科、新属、新種として発表したヤッコウソウの自生地がある。牧野博士のパネルがご案内。

 生物の分類階級は、界門綱目科属種の順である。新しい科の認定は、動物で言えば食肉目の下のネコ科やイヌ科等の他に新しい並列のグループを作ることであり、想像以上に大変なことであると思う。そのヤッコウソウを探したが、見つからなかった。おまんどこにおるぞね。

 納経を終えて、まだ11時。モネの庭があるらしいので、奈半利町を目指す。

 お寺から国道まで戻ると、お遍路さんの休憩所。

 なんと無料で氷がいただけるらしい。

 海岸沿いの道は風が強く思うように進めない。ゆっくり走っているロードバイクを追い抜く、乗っているのは外人女性らしい。しばらくリードしていたが、やはり本気を出したロードバイクには敵わなかった。

 羽根岬で休憩。

 海岸にはタービダイト層(混濁流によって運搬された砂と泥の層)が広がっている。

 紀貫之の歌碑。「まことにて名に聞く所 羽根ならば 飛ぶがごとくに 都へもがな」

 すっかり忘れていたけど、紀貫之と言えば土佐日記である。

 ここらあたりでは、ちらほら日本人の歩き遍路の人も見かける。

 奈半利町に入り、山の方へ2kmほど行くとモネの庭である。

 入園料は1,000円。遊歩道には花が咲いている。平日なのに、けっこうお客さんが来ている。

 水の庭。園内のあちこちにモネが描いたであろう風景の前に、モネの絵が飾ってある。

 睡蓮が咲いているとよいのだが。

 

「ボルディゲラの庭」地中海の風景を再現しているとのこと。

 なんとも、温暖な風景。

 レンガ屋根の建物「リヴィエラの小屋」。カフェは残念ながら月曜日は定休日。

 ここにも池がある。

 池の中には、イモリらしき動物。他にはメダカとゲンゴロウらしき昆虫も視認できた。

 15時、室戸市に転進。

 途中の重要伝統的建造物群保存地区である吉良川の町並みを見学。

 暴雨風雨対策のため工夫された土佐漆喰や水切り瓦。

 レトロな商店。

 歴史を感じさせる町並み

 趣のある旅館。

 よけいなお世話だろうが、豊後高田市の昭和の町のように、リノベーションを進めて、観光客を呼べるようなお店を増やせばいいのにと思った。

 今日も夕日は太平洋へ。

 ホテル富士は、津照寺の近くにある。17時過ぎに到着。つげ義春さんの漫画に出てきそうな宿である。宿の人に安芸市周辺で宿が取れないと言うと、プロ野球のキャンプのせいだろうと教えてくれた。また、風呂で転んで倒れていた人がいた。早い時間だから他の客が発見して大事にはいたらなかったが、遅いと朝までそのままの可能性があるので、早めに入るように言われた。

 市役所近くのサンシャイン室戸に買い出しに行って俵結び弁当など購入。

 買い出しから帰って、他に客がいない広めの風呂に入る。浴槽の中は金属製で確かにすべりやすかった。

 

宿泊費:5,000円(2025年5,000円~6,000円)

飲食費:1,047円

納経料:600円(2024年4月から500円に改訂されたため、今は1000円)

モネの庭入園料:1,000円(2025年変わらず)

 

総移動距離:69.1km