朝4時に雨音で目が覚めその後寝付かれず5時半起床。外は激しい雨。カップの徳島ラーメンとカレーパンを食べる。

 7時前に出発。今日は、阿南駅7時半発の列車で南小松島駅へ、バスに乗り換え人形文化交流館前(道の駅ひなの里かつうら)まで行き、徒歩で鶴林寺を目指す作戦である。

 朝の阿南駅。

 定刻通り出発、列車には通学時間帯のせいか学生が多い。南小松島駅には7時38分着。

 南小松島駅のバス停の行き先を見てまわるが勝浦町行きの表示がない。駅に戻り駅員さんに聞いて見ると横瀬西行きに乗ればよいと教えてくださった。

 こちらも学生が何人か待っている。雨は一向にやむ気配がない。

 バスは昨日、自転車で走ったルートを進む。昨日見かけた遍路の人も乗っていた。歩き遍路のはずなのに札所で何度も合い、不思議に思っていたがこうゆうことだったのか。

 鶴林寺最寄りのバス停は、生名だが、あえて手前で降りる。遍路の人が驚いた顔をしていたが、道の駅でトイレを借り、レインスーツを着用するためである。人形文化交流館前には、なぜか恐竜。

 道の駅にあった竹の棒をお借りして8時55分、標高470mの距離3.3kmの鶴林寺を目指す。

 濁流の中、鴨は元気だ。

 ミカン畑の中の遍路道を登る。雨のせいで川みたいになっているところもある。

 鶴林寺への道標。自転車は通行できないと書いてくれている。今日はどうでもいいが、親切な表示だ。

 あと2.6km、勾配は急になってゆく。

 トイレもある遍路小屋。休憩しようと思ったが、中には殺された蛇の死骸が。

 雨に煙る勝浦町。ここからは、杉林の中の道だ。

 焼山寺と比べて道はよく整備されているが、急な坂が延々と続く。車道をまたぐ場所にはベンチが置いてあり休憩しながら進む。レインスーツのせいもあって身体が熱い。持ってきた飲み物もあとわずかだ。車道には車遍路の人だろうか、数台の車が登っていった。

 ようやく、やや平坦な道になる。眼下には那賀川だろうか、蛇行する川が見える。

 通夜堂跡、お遍路さんの宿泊施設だった場所。

 10時45分、鶴林寺山門に到達。駐車場にいた車遍路の初老の男性が、「歩き遍路の方に気安く声をかけるのは失礼かも知れないが、雨の中大変でしたね。」というようなことを言われた。基本、自転車遍路だと言うと、少しがっかりしたようだった。

第20番札所 霊鷲山 宝珠院 鶴林寺

 ようやく雨があがった。境内のこけが美しい。

 水子地蔵等のお地蔵様。

 鶴林寺本堂。

 鶴林寺らしい鶴の像。

 ご本尊は、延命地蔵菩薩。真言は、おん かかかび さんまえい そわか 無病息災、五穀豊穣、交通安全、水子祈願、安産、子授け、子供守護、先祖菩提、戦勝祈願など。

 喉が渇いたので、飲み物の自販機を探すが見当たらない。御朱印をいただいたついでに納経所の方に、聞いて見たらお寺にはないそうだ。大龍寺に行くのだろうから、県道まで降りればあるとのこと。大龍寺にはロープウエイがあるので、明日でもいいかと思っていたが、ロープウエイ駅の近くにバス停があると教えてもらい、そちらから阿南市もどることにした。

 大龍寺側の遍路道は、渓流に沿って降りる階段の道。途中、本日、最初で最後の歩き遍路とすれ違う。なんとひげ面の西洋人。急な坂をガシガシ登ってくる。英語で挨拶を交わす。

 舗装道に出るが、自販機はない。とりあえずロープウエイ駅方面へ歩く。雨は上がり蒸し暑くなってきている。途中、神光本宮山之宮(磐座)と書かれた鳥居。由緒正しそうなので、後日調べたが、由緒も祭神も分からなかった。

 那賀川沿いの県道19号をとぼとぼ歩く。雨が降らなければさぞかし美しい水であろう。

 まばらに人家はあるが、自販機はない。もしかしたら、大龍寺への歩き遍路道のほうにあったのかもしれないが、戻るわけにはいかない。最初は片側1車線だった県道も、交互通行しなければならないくらい狭くなっている。途中、警察車両が通り過ぎていった。どうやら車同士の事故があったみたいだ。運転手であろう、ご老人が警察の聴取を受けている。車がなければ、生きていけない場所だが、高齢者が運転するには厳しい道幅なのだろう。

 ようやく、大田井集会所というところに自販機があった。鶴林寺からロープウエイ駅間で唯一の自動販売機、しかもロープウエイ駅寄り。迷わずポカリスエット500ml購入。一気飲みである。

 雨は降ったりやんだりしている。ようやくロープウエイ駅らしきもが見えてきた。那賀川にそそぐ滝の近くに、トトロの絵が描かれた石があった。子供のいたずらにしては画力がある。いったいなんのために?

 

ロープウエイ駅が見えてきた。

 14時、ロープウエイ駅到着。鶴林寺から11.3kmあるそうだ。

 ロープウエイは往復で2,500円、ここでもクーポンで支払いが出来た。係の方に、バス停の場所を尋ねたら、親切丁寧に教えてくれただけではなく、14時20分のロープウエイで登り、15時に降りる便に乗れば、ちょうどよいバスがあることも教えていただいた。

 ロープウエイには数人のお客さんとガイドさん。

 雨上がりの景色がすばらしい。眼下には那賀川。

 雲より高く登って行く。

 途中、ニホンオオカミの像があった。明治時代まで、このあたりに棲息していたらしい。遠くに弘法大師像もあったが撮影し損ねた。

第21番札所 舎心山 常住院 太龍寺

 龍の手水舎。

 標高が高いだけあって紅葉が美しい。

 イチョウも黄色く色づいている。

 鶴林寺の方角が見えるのぞき穴。

 ここの空気は、特に清浄な気がする。

 よくこんな高い場所にお寺を建てたものだ。

 ご本尊は、虚空蔵菩薩。真言は、のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか 頭脳明瞭・学業成就・記憶力向上・技巧向上の利益があるといわれている。

 15時前にロープウエイ駅に戻ると、口を開けた龍が山を登って行くような雲が見えた。思わず「龍のようだ。」と口にすると、近くにいたロープウエイの職員達も「ああ」と声を漏らしていた。今日は頑張ったので、弘法大師様がご褒美によいものを見せてくれたのではいかと勝手に思った。

 

 帰りのロープウエイのガイドさんは、バスのことを教えてくださった方。他に乗客がいないので、楽しく会話をしながら降りることができた。

 

 バス停には、コスモス畑。

 7~8人の白人と東洋人らしい人たちがバスを待っていた。白人の女性の一人がニコッと笑いかけてきたので少々会話をした。南アフリカから来たらしい。遍路という言葉は分からないようだったがお寺を巡っているらしい。

 バスは定時に来たが、学生で一杯。近くにいた学生が席を空けてくれて座れたが、同じバス停で乗った他の人は全員立っていた。途中のバス亭で、ご老体が降りるのに手間取っていたが、とにかく声がでかい。バスのドアが閉まると笑い声が起きていた。

 阿南市街に入り、駅の近くで下車。ホテルに戻ると今日は不機嫌なのか犬に吠えられた。汗で衣類がぐしゃぐしゃになっている。1階のコインランドリーを使うため、フロントに洗剤を売ってもらおうとしたら、ホテル用の洗剤を分けてくださった。これもお接待か。

 マルナカでロースカツ重とのり弁等を買って帰る。明日の予定がかなり楽になった。

宿泊費:4,000円(2025年は4,500円)

飲食費:855円(クーポン)

納経料:600円(2024年4月から500円に改訂されたため、今は1,000円)

JR代:330円

バス代(行き):530円

ロープウエイ代:2,500円(クーポン)(2025年は2,600円)

バス代(帰り):750円

 

本日の総移動距離:72.6km 全行程は以下の通り。