昨日買っておいたカップ麺とレタス巻きを食べて8時半出発。小雨が降っている。

  朝はフロントに人が居ないので鍵だけ置いてチェックアウト。昨日対応してくれたおとうさんの書き置きにホッコリ。

  9時40分、雨が止み、国道448号線を内之浦方面へ、平地で走りやすい。くにの松原で休憩。下草がよく刈り取られている。

  キャンプ場らしいが、この日は人影がなく、なぜか海に近い駐車場には数台の車の出入りがあった。

  10時45分、国道448号線を外れ柏原海岸沿いを進むと黄色いルーピン畑が広がっていた。

  ルーピン祭りも開催されるらしい。ルーピンという名はここに来るまで知らなかったが、調べてみたら、ヨーロッパ南部原産(音の感じは中国っぽいが)のマメ科植物でルピナスともいうらしい。豆は塩ゆでにすると酒のつまみになるというが、キノリジジンアルカロイドを含有し、毒性があるため適切な処理が必要とのこと。

  ルーピン畑を過ぎて進むと漁港のようなところに出てさらに進むと舗装がなくなり、目の前にMARUMARIN、サイクルステーションと書かれた建物が現れた。外で作業中の職員の方が挨拶してくれたので国道に戻るに道を教えていただいた。ついでに空気入れも貸していただき、九州一周中だと話したら、地図までいただいた。これから内之浦まで行くと言ったらアップダウンが激しく、かなりしんどいとのこと。

 言われたとおり、かなりアップダウンがあり、サイクルステーションから内之浦まで半分もいかないところで小雨が降り出した。葛藤である。「おまえの宇宙への思いはその程度か。断固引き返すべきではない。」「国東半島で雨にうたれた夜をわすれたのか。安全第一だろう。」しばらく考えて、転進することにした。

 海上には、なにやら構造物。ロケット関連かと思いきや、確たることは分からなかったが、志布志国家石油備蓄基地の関連施設のようである。

 平地にもどると雨はやんでいた。県道539号線を肝付町中心部へ行く途中、「いったんもめんと結いの家」なる標識を発見。行ってみたけど民家しか見当たらなかった。後で調べたところ地域住民によるボランティア活動グループで、この地域にある権現山のふもとや轟の滝周辺などに出没した妖怪一反木綿からとったらしく、あくまで「結い」の部分がメインらしい。一人暮らしの高齢者の支援や学童保育的な活動を行っているとのことである。

 近くには塚崎古墳群もあり、日本最南端の前方後円墳があり、古代から栄えていたようである。

 さらに進むと肝付町立歴史民俗資料館があり、見学。他にお客さんはなく、上品な奥様といった感じの女性職員が出迎えてくれた。一反木綿について質問したら、確かにこの付近にはそういう伝説があるのは知っているが、自分は学芸員ではなく勤務して間がないので詳しいことは分からないと申し訳なさそうに答えてくれた。学芸員さんでも妖怪は専門外だろうから、こちらこそ申し訳なかった。

 1階には古民具などとともに鹿児島ならではの田の神さあの石像が展示されており、2階には塚崎古墳群から出土した石棺や副葬品などを展示していた。残念ながら、一反木綿に関する展示は見当たらなかった

 帰宅後、水木しげる先生の続妖怪画談を見てみると、一反木綿は大隅地方に現れ、夜間に人を襲うとあった。鬼太郎の仲間としてよい妖怪のイメージがあるが、実は悪い奴だった。同書には田の神についても紹介されている。

 

 県道539号線から県道554号線に乗り換え、平坦な田園地帯を鹿屋市へ。にぎやかな鹿屋市から国道220号線へ、高校生の下校時間にぶつかる。市街地を抜けると国道はひだ状に続く山と谷の上に橋を渡して通っているようである。長いトンネルを抜けると、下り坂、黄砂に煙る鹿児島湾が見えてきた。

 海沿いの道は漁港もあり、久々にニャンコと遭遇。

 鹿児島湾に陽が沈んでゆく。

 民宿ファミリー垂水にたどり着いたのは、19時。この宿は高齢のご夫婦で経営されているようで、ご主人は関西弁である。定年後、自転車で九州一周していると話すとあきれたように「元気やなぁ。」と言われた。間違いなく関西の方である。

 池田温泉の入湯券を貰い、20時までだからに早く行くように勧められた。池田温泉と書かれたゲートの先には、入口に灯りは無く、どう見ても病院。正式には池田温泉クリニックとのこと。(写真は翌朝撮影)

 少し先にメデルスパリンター (垂水)TM技研という建物が、ここが温泉だった。番台に入浴券を渡し入場。浴場までの通路には競馬関係の写真等がたくさん飾られている。競走馬テイエムオペラオーと関係があるようだ。浴場内には、大浴槽の他サウナに低周波風呂等があり、入浴料は300円値段の割に結構な温泉である。入浴客はすべて地元の方みたいだった。(2025年、民宿ファミリー垂水で提供される入浴券は「江洋館」に変更になったようである。もしや閉鎖したのでは?)

 風呂上がりに、みどり薬局垂水店により、夕食の買出し。おにぎり、ランチパックとおにぎりが半額だったので本能的に購入。カップ焼きそばとお酒も買いレジの方に割り箸もつけてくださいと、いつものスーパーの調子で言ったら、他の店員さんがスタッフ室に行って割り箸を持ってきてくださった。すみません。ここ薬局でしたよね。

本日の支出は宿泊代朝食付き3,500円(2025年も変わらず)、食費等700円、資料館 無料

合計4,200円 800円の黒字