秘境は、「秘境」として紹介された瞬間から秘境ではあり得なくなる。
ここはいつまで「秘境」でいられるだろうか?
利権があるかぎり、ここは「秘境」であり続けるのだろうか?
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ここに来るまでの間も、検問所を5つぐらい通り過ぎた。

普通、ゴールデントライアングル観光といえば、観光地化されて安全なタイ側から行くもの。
立ち入りが規制されているミャンマー側からわざわざ見に行く人はいない。
危険なのはミャンマー側。だから、チェックが厳しい。
でも、誰がそのクスリを作って、誰が消費していると思う?
「お客さんが来たから村に連れて行くんだ」
検問所を通過する度、助手席のおじさんは係りの人にそう話す。
おじさんの顔パスで車は通り過ぎる。
その為におじさんはこの車に乗っているらしい。
車が通り過ぎる度、村民の視線が私たちを追いかけて来る。
小さな村ではよそ者はすぐに分かる様になっている。
この村は、見た感じすでにタイだった。
庭先に昼寝小屋のような小屋があり、そこでみんなが思い思いの格好で横になっている。
ロンジーをはいている人も少ない。
10分ぐらい走ると、それまでコンクリートに舗装されていた道がどんどん悪くなる。
赤土むき出しのガタガタの道を、車は慎重に進んで行く。
その内道路もなくなり、車は小川にジャブジャブ入って行ったり、秘境ツアーっぷりがだんだんと増してくる。
川の近くの湿地では、水牛の群れが白鷺と一緒に佇んでいる。
目の前に急に、秘境に場違いな建設中の新興住宅街が出て来た。
人なんか一人も住んでない秘境の山奥かと思ったけど、そう思っていたのはどうやら自分の勝手だったらしい。
山奥の住宅街、家の作りはヤンゴンなんかよりもずっとしっかりしていた。
ここはミャンマーの山奥、だけどタイのすぐ近く。
住宅街を通り過ぎると、目的のお寺の入口に着いた。
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ここに来る前日の話。
タチレイの街中でバイクタクシーのおじさんの制服が気になって声を掛けた。

制服には韓国語が書いてあったから、何か韓国と関係があるの?と聞いてみたのだ。
「この服には、元々韓国語が書いてあって、そこにミャンマー語をプリントしただけだよ」
そこから世間話。
もっと安いゲストハウスを知らない?
「クーラー付なら700Bぐらいは妥当かな~?」
この街に温泉はある?
「あるけど道が悪いからバイクじゃないと行けないよ」
タチレイで行っとくべき所ってある?
「お坊様に会ったか?」
なんでも、お坊様は大変高名な方で、会わずに帰るなんてもったいない!らしい。
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その高名なお坊様がいらっしゃるのが、このお寺だそうだ。

敷地内に入ってすぐ、知った顔があったのか助手席のおじさんは車を降りて、ほっかむりの植木職人のおじさんと抱き合っている。
「私の事を覚えているか~?あぁ、そうか、そうか」
すごいテンションで握手を交わす二人。
でも二人の間で言葉は通じていない。通じているのは笑顔だけ。
助手席に戻ってきたおじさんは、落ち着いた声で言った。
「前にも会った事があるんだ、前来たのはずいぶん前だけどね。」
分からないからテンションで持って行くしかないらしい。
ミャンマーには135の民族が住んでいると言われ、お互いの事はミャンマー人同士ではあるけれど、外国人未満のような不思議な感覚らしい。
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生憎、その日高名なお坊様はお寺にいなかった。

すっかりタイ様式のお寺の中では、これまたタイ風オレンジ色の袈裟を着た見習い小坊主達が、私たちに興味を示すでもなく修行をしていた。
彼らの言葉はシャン語なのか?タイ語なのか?やっぱり全然分からない。

このお寺にはタイからの多額の寄付があるらしい。
深い山の中の施設だと言うのに、どこのお寺よりも立派な作り。
お堂の中に入って驚くのは天井が非常に高いこと。
巨大なドームの中心にあるタイ顔の仏陀像。

ここは本当に別世界。
冷房など付いていないのに外より室内の方が断然涼しい。
こんなに立派な施設なのに人が誰もおらず、屋根に取り付けられた鈴の音だけがチリンチリンと別世界みたいに響いている。
思い出したのは青森の恐山に行った記憶。
静寂。
屋根を雨を伝う音が聞こえている。
雨など降っていないのに。
「近くの小川の水を屋根から掛けているんです。涼しいでしょ」
本当かな?と思ったけど、確かにずーっと水の音がドーム内に響いている。
深い山の中なのにハイテク!
国境ってもっと秘境なのかと思ったけど、そう考えてるのは国境を知らない私達だけなのかもしれない。
ここはタイから簡単に物が入って来るから、ヤンゴンよりも物質的には進んでいる。
確かに、この場所にミャンマー側から入って来るには、検問所が何個もあり、たどり着くにが難しい本当の意味の秘境である。

対岸に見えるのはラオス。
でもそれは人が人為的に作り出した秘境であって、地元の人にとってはコンビニに行くぐらい簡単に行ける場所。
秘境でもなんでもない。

「ここ、いいところですね
」
「いいところだろ?写真撮ってあげるよ、ここに来た記念にね」
「いや、はずかしいから写真はいいですよ
」
「記念だから撮っておいた方がいいよ、外国人はここに来れないんだから」
?
「ここ、外国人立ち入り禁止だよ」
え?
私、めっちゃ外国人なんですけど。
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ミャンマー側ゴールデントライアングルとお寺周辺の村は外国人立ち入り禁止エリアですが、許可があれば入る事が出来ます。
途中に検問所がいくつもあり、通行にはミャンマー国民のID証の提示が必須となります。
外国人が許可なく立ち寄る事は原則不可能となっており、許可を取って訪れる事をおすすめいたします。
又、許可が下りるかどうかは現地の情勢によるため、最新の情報をお確かめの上お出かけください。何かありましても当社では責任を負いかねます。
行く人が少ない・行くのが面倒くさい所は、観光地化とは無縁で、そこに住む人の体温が感じられる、本当に素朴で良い所です。ミャンマーにはそういった所がそこかしこにあり「ずっとこのままであって欲しい」と、旅行者の勝手な意見として願ってしまいます。
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