「性弱説」

 

こんな言葉を聞いた。

 

人間は元々は弱い。

 

なのでそれを克服するべく様々な鍛錬を自分に課すことで強くなろうとする。

 

あるいは自分で強くなれなければ,集団を形成し其の構成員になることで助けあい、弱さをカバーし合う。

 

元々は人間は弱い生き物でしかない。。。。。

 

頷ける話だ。。。

 

 

 

 

強者である人こそ、実は脆く危うい生物であることが珍しくない。。。。

 

ラグビーで「世界最強のWTB」の名声を欲しいままにしたジョナ・ロムーも195センチ115キロの巨軀を誇りながら腎臓に疾患を抱え40歳で他界した。

 

 

総合格闘家だった山本KID徳郁だって、五輪選手だった父から受け継いだ強靭な肉体と精神を武器に、厳しい練習の積み重ねと天性の才能でリングで数多くの敵を屠ったが41歳で病没した。。。

 

「神の子」と畏怖された戦士はあっけなく散った。

 

 

 

「強くなりたい」

「強い人間でありたい」

 

こういった気持ちが身体や精神に過剰な負荷を掛け、結果、若くして死を招いたと言えなくはないか?

 

 

 

 

 

 

「私は強い女ですから」と肩で風を切って歩いていた女がいた。

 

有名大学を卒業後、巨大な外資系金融期間に就職。

 

以降、キャリアと学歴をバージョンアップしながら部長職にまで昇進し、数千万円の年収を手にした。

 

港区の高級マンションを買い、ドラマに出てくるような夜景をバックに寝る間も惜しんで仕事と勉強に勤しむ。

 

男性の部下の尻をたたき数字と戦い奮闘する姿は「鉄の女」か「ジャンヌ・ダルク」といったところ。。

 

だが亡くなった。。。

 

 

 

 

あんなに強い女を演じていたのに、身体はボロボロ、がんには勝てなかった。。。

 

身体は、というか彼女を構成する細胞と免疫系統は脆弱だった。

 

享年49歳。

 

一度だけこう伝えたことがある。

 

「せっちゃん、。。。あまり無理するなよ。。」

 

帰ってきた言葉がこれ。

 

「私は負けたくないのよ。」

 

母が病弱で暴君のような父の元で育った彼女は、強くなることでしか生きれないと少女時代、強く感じたそうだ。

 

夫もいなければ子供もいない。

 

葬式の喪主は弟だった。

 

小雨が降りすさぶ中、喪主の挨拶を淡々と執り行う中年男性の肩を落とした姿だけが目に焼き付いている。

 

「戦死」

 

こんな言葉が脳裏をよぎった。。。

 

 

 

 

 

「強い女」

 

こう自認する独身女性がいる。

 

「私には仕事がある。カネも家もある。」

 

「仕事で尊敬できる男でなければ、男と認めない」

 

こんな風にうそぶいていたのを耳にしたこともある。

 

しかし、だ。。。

 

おたくら、そんなに粋がったところで定年を迎えれば所詮は無職の老人でしょ?

 

仮に役員になったところで任期は2年前後。

 

従業員の時とは違い、訴訟リスクも負うことになる。

 

「強さ」の源泉であり裏付けでもある社会的地位だのキャリアだのなんて引退したら何の役にも立たない。

 

平日の昼間、図書館に行ってみな。

 

そういう燃え尽きたキャリア自慢の男たちがたくさん暇を持て余しているからね。

 

 

 

 

 

50代から肉体は大きな変化を見せ始める。

 

病魔は絶えずその黒く不吉な影を身辺にちらつかせ、自身の衰えを感じる機会も増える。

 

そう、人間とは所詮弱い生き物なのだ。

 

ライバル企業とのコンペや社内の出世競争に勝ち抜いたとしても、病魔という敵はそんなに組みし易い相手ではない。

 

一度勝ったと思っても、やがて「再発」という形で彼らは復讐の機会を窺う。

 

単独で戦うのには厄介な相手だ。

 

 

 

 

「自分より強い男」

 

「自分より仕事ができる男」

 

こういう男を探し続けるのもいいが、弱い自分を受け入れ支えてくれる男も同時に探したほうがいいのでは?

 

仮にその男が弱く見えたとしても、実際、とてつもなく強い漢かもしれない。

 

なによりも貴女より強い男、仕事ができる男はあなたが衰えればあなたから去っていく。

 

「もっと若くてきれいな女」を求めて。。。

 

そういう男を求めているのは貴女だけではないからね。

 

そもそも、誰だって病人の世話などしたくない。

 

肉親の闘病だって関わることを拒絶する人が珍しくないのに、独身の50代60代のババアのお世話なんて誰が喜んでする?

 

 

 

 

 

婚活というのは年齢によってその意味が異なる。

 

20代の若者の婚活と40代以降の高齢者の婚活は全く異なる。

 

40代以降の婚活は適切な取捨選択、並びにこれからの試練に備えた体制を構築することを視野に入れることが求められる。

 

「性弱説」

 

この言葉、ぜひかみしめて頂きたい。

 

 

 

 

追記:

 

戦時中、中国戦線で大日本帝国陸軍の独立迫撃砲連隊の一兵卒として従軍した男が語っていたが、連隊の兵士の数多くが戦死・病死、あるいは行方不明となった中で生き残って帰国できたのはわずか一握りだったそうだ。

 

彼らは、。。。

 

決して体が大きいわけでもない。。。

 

決して頭脳や戦闘技術が卓越していたわけでもない。。。

 

体力が誰よりもあったわけでもない。

 

 

 

一見すると彼は屈強な兵士には見えない。

 

だが中共兵士の待ち伏せ攻撃など絶対絶命の危機に遭遇しても彼は生き延びた。

 

アメーバ赤痢や風土病などの病疫も耐え抜いた。

 

結局、生き残った個体が「強い」個体なのだ。

 

「私は強い」とうぬぼれる独身女性の方。。。

 

マンションを持っているのか大企業の課長なのか知らんが、「強い」と自負するのは最後まで生き残ってからにしてくれ。

 

英系外資の日本支社長の女性は53歳で病没した。

 

「強く見える」女ほど「脆弱」。

 

違いますかね?