同業者の忘年会に参加。
総勢60名ほど。
着席したテーブルは多士済々といった面々。
女性弁護士50代
新興業者の男性担当者20代
防犯カメラの販売会社社長50代
大手商社の子会社の不動産会社の部長40代
俺
といった面々。
社長と弁護士を除けば新顔。
この手の会ではよくあることだ。
この女性弁護士、品格のある魅力的な女性。
女性弁護士という人種には様々な形態があるが、とかく攻撃的で何かと議論をふかっける女性も珍しくない。
そういう人と酒席をともにすると、
「今のは〇〇という意図での発言ですか?」
「それはなぜXXなのですか?」
といった詰問や尋問が多くて閉口する。
会話を楽しめるタイプの人ではない。
その多くは独身で個人事務所経営だけどね。。
ところがこの女性弁護士は違う。
おおらかで品が良くてよく笑う。
下ネタも笑い飛ばし、とにかく元気がいい。
かといって「否定」することもなく、「論理の整合性」にもこだわらない。
馬鹿話も楽しめて、一緒に酒を飲みたくなるタイプの女性だ。
宴席も盛り上がり、やがて恒例のビンゴゲームとなった。
なるべく多くの参加者に景品が行き渡るよう多種多様な景品が準備されている。
我々のテーブルも期待を込めて参加。
さて、はじめに景品をゲットしたのは女性弁護士。
伊勢丹の商品券1万円だ。
するとこの方、景品を受け取ってテーブルに戻ってくるとおもむろに開封し、商品券を取り出した。
そして1枚ずつばらすと、それをテーブルの男性全員に配り始めたのだ。
「みんな、おすそ分けよ!」
こういって1枚(1000円相当)ずつ配布しだした。
おじさんたちに配布が終ると20代の若手男性の番だ。
すると彼女はこういった。
「あなた、これから子供が生まれるんでしょ?」
「これで奥さんになにか買ってあげなさいな」
そういって残りの商品券7枚をすべて彼にあげてしまった。。
恐縮する若造。
やんやの喝采を浴びせるおじさんたち。
テーブルは盛り上がった。。。
この若い担当者、これから子供が生まれるが期待と不安が交錯した心境だと打ち明けていた。
それを聞いた彼女が「大丈夫、こうすればいいのよ」と子供3人を抱える立場でアドバイスして、若者は真剣に聞き入っていた。
微笑ましい光景、。。。
ちなみに俺はラスク(洋菓子)があたったので先生と同じくみんなにおすそ分けさせていただいた。
「甘いものってワインにあいますよね。。」
「なんか美味しく感じる。。。」
ラスクを頬張りながら感情を共有する20代から50代の男女たち。
今日初めて会った人でもこうやって親近感が醸成され、やがて「取引」」という形で花が咲く。
やー、いいな、やっぱ忘年会って。。
「参加しません」「業務なら時間内にやりましょう」とか言う人って馬鹿なのかな?
宴も終わり、弁護士はタクシーで帰宅し男たちは2次会に突入。
話題はあの女性弁護士だった。
「先生、さすがだよな」
「前にも仕事お願いしたけど良い対応してくれたんだよね。。」
商品券が嬉しいわけではない。
接待で多額の金額を湯水のように使う男たちにとって1000円など些末な金額。
だがあの気持や振る舞いが嬉しいのだ。
自分以外の誰かを喜ばせようと言う気持ち。。。。
望外の贈り物をみんなで楽しもうと分配する心の余裕。。。。
最近、そういう女性になかなかお目に掛かれない。
それもあってなおのこと印象に残り、男たちは称賛を惜しまなかった。。。
デートで奢ってくれないだの、1000円払わされただの、カネのことでむくれる女を婚活では目にする。
俺たちの印象はこれ。。。
「卑しい貧困層の女」
実際は劣等感の塊の生き物ってだけで、奢ってもらえないと劣等感が刺激されて不機嫌になるだけの矮小な醜い個体なだけなのかもしれない。
だが、印象としては「卑しい」「貧しい」「自分がいちばん大事なだけ」
それ以上でもそれ以下でもない。
あの弁護士、都内の上流家庭のご出身。
お姉さんが俺と同じ大学出身ということもあって親しくさせていただいた。
仕事も何件か依頼されそれなりの取引があったが、彼女が病気に罹患したことが原因でしばらく弁護士業務から離れて静養することとなり、弊社ともやや距離が空いた状態だった。
久しぶりに会った彼女は以前のように健康でおおらかで円満な人格のままだった。
やはりいい女というのは心に余裕がある。
元気でうれしいよ、相沢先生。
また来年もよろしくね。。。