『私の経験によれば、欠点の無い人間は取り柄もほとんど無い』
~ エイブラハム・リンカーン Abraham Lincoln 第16代アメリカ合衆国大統領 ~
さて、いつも感じることなのだが、
要求が多い人、過剰に安全を追求する人はチャンスを逃していく。
弊社で今まで仲介した不動産取引でも、それを感じさせることが多々あった。
結局,結婚相手を仲介するのも不動産を仲介するのも同じこと。
石橋は叩き過ぎると壊れてしまうのだ。
弊社顧客である中年の女性資産家が中古のビルを購入しようとした。
コロナで経営不振に陥ったオーナーが資金繰りのため売却するという。
この話を彼女に紹介したところ、現金で買いたいと切り出して来た。。
問題はそこからだ。
この方、法務部勤務で仕事柄コンプライアンスや法務に精通しており、この中古ビルの法令違反箇所や、それが懸念される部分(例:看板の設置状況)について細かい修繕指定を購入の条件として提示してきた。
こちらとしては現金で購入してもらえるので、是が非でも話をまとめたい。
幸い1番手の買い付けだったのでその可能性は高かった。。。
だが、彼女の要求は次第にエスカレートしていく。
ある部分の修繕を要求し、売主が快諾するとそれが当然であるかのように次から次に要求を突き付けていく。
小出しに要求する、と言った方が分かりやすいかな。。。
だが、最初は快く対応していた売り主も次第に難色を示すようになっていった。
彼女の要求は決して法外というものではない。
たしかにそういうリスクは存在するし、そのリスクが顕在化する可能性はゼロではない。
だが、所詮は中古の築年数30年超えのビルなのだ。
経年劣化も進んでいる
何か瑕疵があったとしても、そういうものだと思ってほしい。
それを含めたうえでの価格なのだから。。。
欠点やダメな箇所があって当たり前なのだ・
人間なら結婚相談所で知り合った高齢の男女と結婚するなら、それなりの瑕疵(欠点、あるいは経年劣化した部分)があるのは当たり前。
瑕疵の無い男女ならもっと早く誰かが気に入ってとっくに結婚しているから。。。
やんわりとそのあたりを指摘し、反応を待った。。
だが彼女は頑として首を縦に振らなかった。。。。
『○○なケースが発生しないとは言えないでしょ?」
「法令違反の個所はやはり直してもらわないと・・・」
「私が買う立場なんです。安い買い物ではないんでこれぐらい当然だと思いますが。。」
まあ、分からないでもない。
だが、くどいようだが中古物件とはそういうもの。
実際、裁判でも中古物件を買うならそう言った瑕疵は甘受しなければならないという司法の判断は示されている。
そのあたりを根拠に説得を試みたが、徒労に終わった。
嫌な予感は的中した。
先方から「この話は白紙に戻したい」と連絡が来た。
聞けば、同じ売却価格、現金決済で他に買いたい人が現れたという。
そのライバルは、現況有姿、つまりなんら修正や修繕を要求することなく、ありのままの状態で引き取って良いというのだ。
急いで彼女に連絡を取り状況を告げたうえで翻意を促した。
「このビルを欲しいなら細かいことに目をつぶってほしい」
だが彼女は検討するといったまま連絡は途絶えた。
結局、そのビルは彼女のものにはならなかった。。。
聞けば、売主は彼女の度重なる要求に怒り心頭で、「あの女にだけは売らない」とおかんむりだったとのこと。
自分が30年近く保有し愛着のあるビルに細かくケチをつけ、あそこを直せ、ここが悪いと臆面もなく言ってくれば、誰だって腹は立つよね。
今年に入って、そのビルの売却に関わった相手方の仲介担当と会う機会があった。。
「Leonさん、あのビル、惜しいことしましたね」
「どういうこと?」
聞けば、あのビルを購入した買主は、さらに高値で個人投資家に転売していた。
その差益、おおよそ5000万円。。。
うーん、やるな。。。
まあ、あの立地ならそれぐらいの価格で買う個人客はいるかもしれない。
だが、俺は損を被ったわけではない。
あのビルをほぼ手中にしていた女性顧客こそが、儲けそこなった張本人だ。
あそこで色々と細かい条件を付けなければ、あのビルは彼女のものだった。
過剰にリスクを回避し、過剰に安全を求める。。。。
婚活における相手選びでもよく目にする光景だ。。。。
その結果、美味しい儲け話やせっかくのご縁を逃してしまう。
逃がした魚は大きい。。。この言葉はそんな人のためにあるのだろう。
「石橋は叩き過ぎると壊れてしまう。。。」
これはもともとあるベンチャー企業の社長が語っていた言葉。
新規事業に着手する際や、海外での投融資を行う時はリスクが伴う。
だが慎重すぎるとチャンスを逃してしまう。
これは相談所で婚活したうえでの結婚にも言えることだ。
短期間で相手を見定めて判断を下さなければならないからね。。。
さて、どんなことに気を付ければいいのか。。。
●細部に拘り過ぎない
→ 「木を見て森を見ず」という人が多い。
その人のポテンシャル(潜在価値)に着目するべき
●タイミングや時流、時間軸と言ったものを意識する
→ 婚活なら自分の年齢や相手の年齢、人生設計、家族計画と言ったことも良く考慮する。
今付き合えるレベルの人は、2年後にはもう付き合えない可能性は高い。
2年たてばあなたは加齢による劣化と市場価値の下落、ライバルの台頭により相手にされなくなるからだ。
●いいモノはほかにもそれが欲しがる人が居ることを忘れるな
→
婚活している女性はいい男の獲得競争を避けてきたか、負けてきた、あるいは参加すらできなかった人が多い。
それを認識していないんだな、これがまた。。。
なので、『私のことどれだけ好きか試したい』とか言って自分からは連絡しないとか待ち合わせの場所すら自分の都合に合わせることを要求してくる。
バカだよね、モテないババアって。
そんな自分が選ぶ立場みたいに勘違いしていると、あっという間に他の女に男を横取りされていきます。
上述の不動産取引だって、この女性は「私が買う立場ですから。。」を連呼して頑な姿勢を崩さなかった。。。
だが他にもそれに魅力を感じる人は居て,買いたい人はこの女性だけではなかった。。
そして他の人にかっさらわれた。。。
ライバルの存在を意識しないとこうなるんですよ。。。
●自分が一つ要求するたびに相手に考える時間を与え、反感を抱かせる契機となることを忘れない
→ 相手に何か要求する時は、原則自分も同じことを相手に提供する「相互主義」が婚活では原則だと考えて欲しい・
相手の詳しい年収に関する情報を開示することを求めるなら、自分も同じレベルの情報を同時に提供する。
そして、相手に何かを要求することは相手の心証を害し、「この人を選んでいいのかな?」という疑念を生むリスクをはらんでいる。
何度もいろいろな要求をするのは悪手だ。
例:結婚後は○○をすることを認めて欲しい、結婚後は私の実家の近くに住むことが条件、家事は分担制。。。
こういうことで、相手の男はだんだん嫌気がさしてくる。
そして破談となるわけ。
よく覚えておいて欲しいのだが・・・
結婚相談所で長年婚活している婚活難民の高齢独身女性なんて、男はもともと好きじゃないんですよ。
溺愛されたいだの尊敬できる男でなければ嫌だのと仰るが、そもそも男の第一志望は若くて可愛い20代女性で在り、第二志望がきれいな30代前半の女性。
35歳以降の結婚できない婚活女性なんて第三志望かそれよりもっと格付けは下です。
だがそういう人にも結婚できるチャンスは1回か2回は廻ってくる。。。
その時に石橋をこれでもかと叩いて叩いて叩きまくると、結婚はあなたの手からするりと逃げていく。。
叩き過ぎて壊しちゃうんですよ、石橋を。。。
そして人生で石橋を渡るチャンスは歳を取るほど少なくなる。
というか人生で打ちごろのチャンスボールって来たとしても2回か3回だよ。
35過ぎたらもうほとんど来ないけどね。。。クセ球ばかりだよ。
だからこそ、チャンスが来たらリスクを取ってでもモノにして欲しいのだ。
「この男性は私より貯金の額が少ないから結婚相手には相応しくない」とか言ってる婚活女性の方。。。
せいぜい気を付けてね。
ちなみに上述の不動産取引に登場する資産家の女性も独身です。
生涯未婚の女性っていうのは似ているんですよ。