以前、シングルマザーの美しい女性と逢瀬を重ねたことがあった。

 

彼女は当時35歳。5歳の男の子が居た。

 

会う回数を重ねるごとに親密になり、彼女のほうから『今度息子に会って欲しい』と打診してきた。

 

当日、待ち合わせはJR吉祥寺駅の改札前。

 

広い池のある公園にでも連れていってやろうと考えてのこと。

 

時刻通りにいくと、改札口の前に彼女と生意気そうな男の子がぽつんと立っていた。

 

対面するやいなや、男の子はこう言った。

 

『ママ、こんどのおじちゃんはやさしそうだね。』

 

俺はそれを聞いて絶句するとともに、この男の子が不憫に思えた。

 

この年齢で母親の再婚という大人の事情に向き合うことを強いられ、母の交際相手が変わる都度、駆り出されて見知らぬ男と母と共に過ごすことを求められる。

 

なんという境遇だろうか。

 

何人の男がこの少年の前に現れ、そして消えていったのだろう。。。

 

どんな男がこの少年の父親で、どんな男が再婚相手としてこれまで女の前に現れたのだろう。。。

 

その都度この少年の心にどんな感情が去来したことだろう。

 

複雑な思いが胸中をよぎった。

 

 

 

 

 

とりあえず3人で公園に通じる道にある喫茶店に入った。

 

昭和の時代からあるこじんまりとした店。

 

まだ存続していたことに驚きつつドアをくぐる。

 

大学生のころこの店にデートで来た同級生の女子のことなど思い出しながらコーヒーを注文すると、男の子の質問攻撃の火ぶたが切られた。

 

『なぜ空は青いの?』

『カブトムシはどこに住んでるの?』

『仮面ライダーにはどこで会えるの?』

 

男の子は長年探してきた格好の話し相手がやっと見つかったかのように、俺に次々と質問を浴びせた。

 

俺は困惑しながら一つずつ丁寧に答えた。

 

彼は自分の持参した小さな鞄からお絵描き帳を取り出して俺の答えを丹念にメモした。

 

数多くの質問に俺が答えたのち、この小さな面接官は満足したらしく母親に甘えだした。

 

どうやら俺は彼の試験にパスしたらしい。。。

 

 

 

その後、夏の日差しの照り付ける中、井之頭公園を3人で散策した。

 

男の子は今日初めて会った黒いシャツを着た中年の人相の悪い男が気に入ったようだった。

 

片時も男の手を放さず、ある時はぶら下がり、ある時はほおずりしてその温もりを確かめている。

 

『これじゃ男の子とデートしに来たみたいだ。』

 

そう思って苦笑いしながら女の顔を見ると、彼女は嬉しそうに笑って言った。

 

『男の子には父親が必要だってこと、今日つくづく感じました。』

 

二人で会っている時は見せたことの無い、男の子を持つ母親の顔だった。

 

そうだろう。。。。

 

だが、ならなぜ前の夫といとも簡単に別れた?

 

海外に単身赴任で夫一人だけ送り出せば、現地で夫が女の一人や二人作っても仕方ないだろう?

 

なぜ子供を連れて一緒に行かなかった?

 

なぜ前夫を支えてやらなかった?

 

そんな疑問をぐっと飲みこんで、男の子を抱き上げ肩車をしてやった。

 

よほど嬉しかったのだろう。

 

俺の髪を掴みながら嬌声を上げて騒いでいる。

 

よかった、髪がフサフサで。。。

 

君と俺は年齢こそ違えど同じ日本男児。

 

いろいろ苦しいことや辛いことがあっても顔にも出さずに頑張ろうな。。。

 

心の中でこの坊やにそう話しかけた。

 

男の子は俺の心中など知る由もなく、大きな声で仮面ライダーの歌を歌い始めた。

 

狂ったセミどもが子供の歌声に輪唱するかの如く、またうるさく鳴き始める。

 

まったく、今年の夏は暑すぎる。。。。

 

 

 

 

 

4時間ほど時間を共にした後、俺たちは改札口で別れた。

 

男の子は名残惜しそうに俺を見ていたが、次は虫取りに行こうと言った後、約束だよ、と念を押してきた。

 

俺は聞こえないふりをしてその場から黙って立ち去った。

 

一瞬だけ振り返ると、二人は改札の前で立ったままだった。

 

男の子がちぎれんばかりに小さな手を振っている。。。

 

俺は軽いめまいを覚えた。

 

狂ったような夏の暑さのせいだろう、いや、そういうことにしておこう。。。。

 

 

 

 

 

 

 

その夜、俺のほうから交際終了の連絡を行った。

 

彼女と男の子とは、それ以来会うことは無かった。。。

 

 

==========================--

 

シングルマザーの知人は少なくない。

 

地方の不動産会社で社員として働いていることが多く、出張すると知り合うから。

 

彼女たちの婚活は、難航を極める。

 

いきなり他の男の子供を育てるという桎梏を突きつけられ、その重さに面食らわない男はいない。

 

結婚相談所に登録しても、アプリを使おうと、苦戦することに変わりはない。

 

彼女たちが半ば諦めるのも無理からぬこと。

 

 

 

そんなシングルマザーの方に3つ、提言を致したい。

 

1.前の夫の悪口を延々とデートで言わない

 

2.子供の教育費等は自分で負担し、男に負担させない旨明言する

 

3.職場結婚を狙う

 

 

2については異論があると思う。

 

だが最初から教育費や生活費の全額負担を当然のように男に求める姿勢を見せると、男は間違いなく躊躇し、やがて姿を消す。

 

交際を重ね、あなたが魅力に溢れた美しい女性で子供も男になつけば、男のほうからやがて自然に負担を受け入れる旨申し入れてくるだろう。

 

 

 

 

シングルマザーならではの強みもある。

 

それは母であること。

 

一度は選ばれた経験を持つこと。

 

離婚を経験していること

 

この3つ。

 

これらが有利に作用すれば、あなたは再婚を勝ち取れる。

 

 

 

 

 

そうは言っても、シングルマザーの再婚はやはり難しい。

 

健闘と成功を祈るだけです。