ずいぶんブログから遠ざかってしまった。


最後の内容が内容だけに、
心配をかけちゃったかな?


ポルコとは相変わらず仲良し。


でも時々ふと悲しくなることがある。
悲しいというか、途方に暮れるというか。


やっぱり一瞬でも

「一緒になれるかもしれない未来」

を思い描いてしまうと
それが叶わなくなった現在は、

思い描く前の過去よりも寂しい。


ポルコの奥さんが戻ってきたと知った時、
悲しくなった自分に少なからず動揺した。


それまでポルコが一人で過ごしているという事実が
私の中の罪悪感を軽くしてたんだと知った。


「期待させることばっかり言ってゴメン」って言われても、
期待しないようにしてたから大丈夫だよって思った。


チビちゃん達に会えなくて辛そうなポルコを見て、
早く戻ってくるといいのになぁって思ってた。


でも、
私の心の一部は
ポルコとの未来を期待していて、
ポルコを独り占めできる日々を喜んでいた。


それを思い知らされて落ち込んだ。


そんな時、
たまたま石井ゆかりさんの文章を読んだ。


米倉涼子みたいな髪型にしたいと思って買った
『FRaU』6月号の「大人の恋のはじまり」というコラムで。


素敵な恋をはじめるために
メイクを研究したり、教養を深めたり、
自分を完璧に近づけようと
スポーツ選手のように自分を鍛錬する人がいるけど、
それは恋愛のきっかけになるだけ。


人が恋に落ちるのは、
その人が完璧だからじゃない。


人は相手の弱いところに触れた時に
恋に落ちることが多い。


「守りたい」とか「失いたくない」という感情。


震災のような状況でこそ
力を発揮してくれるような絆。


本質的な恋のはじまりに、
私たちはいつも無防備で
とても傷つきやすい状態にある。


それを恐れない人にだけ
大人の恋のはじまりは訪れてくれる。


そんなことが書かれていた。


いま傷ついているのは、本当の恋ができた証拠。
本当に好きになれたのは、弱いところまで触れ合えた証拠。


「いい恋したからなんだよなぁ」
って思った。


ちょっと前向きになれた。


「もう恋なんてしない」なんて
言ってちゃダメなんだよね。


傷つくのを避けながら
本当の恋愛は手に入れられない。


それが新しい恋でも
何十年後かに実現するポルコとの恋でも。
(・・・って、しぶとい(笑)?)


そんな決意をしたからか、
ちゃんと出会いは用意されていた。


携帯メール不精な娘が
心配する両親への近況報告用のブログに
コメントをくれるようになった男性から
来月ドライブに誘われた。


私の恋愛運、いったいどうなってるのやら。


本当は怖いけど、
「こうなったら何でも来ーい」な心境(笑)
I'm in a fighting pose.


ちなみに
米倉ショートはポルコにすこぶる好評で、
「可愛い、可愛い」と褒めてくれる。


ようやくポルコの好みがわかった。

ポルコと会って話した日のこと。


転職の話も離婚の話も

なくなってしまったことは

なんとなく分かってた。


予感はその日に仕事でやりとりしていたメール。


「ジーナちゃんへ


お疲れ様。

忙しいのに頑張ってるな。


順に文書を見させてもらったけど、

やっぱり貴方はコミュニケーションスキルが極めて高いよ。


気持ちや誠意を本当にうまく伝えられるね。


それと出会いの運も持ってる。


いばらの道になるかもしれないけど、

貴方にはあまり変わってほしくないね。


今の調子で頑張ってね」


これから去って行く人の最後の言葉みたいだった。


ポルコは、

仕事でもプライベートでも

今みたいには会えなくと思ってる。


会う約束をしている夜は

そんな話になるのだと感じた。


仕事が終わって、待ち合わせをして、

一緒にご飯を食べて、私の部屋へ移動する。


いつもと変わらない流れ。


それまでは普段通りを保っていられたけど、

力強いキスに「最後」の文字が頭をよぎって

涙が堰を切って溢れてきた。


「ごめんね」

とポルコが頭を撫でてくれた。


「泣いちゃってごめんね」

私もポルコに頭を寄せた。


ポルコの胸が不安のため息で上下し始める。

話しづらいことなのが伝わってくる。


「大丈夫。いろんな覚悟、してきました」


そう言って、

ポルコを促した。


奥さんの父親と会うことなっていた日、

「男同士だからきっと分かってもらえるはず」

とポルコは言っていた。


でも当日は母親と二人で来たらしくて、

最初から一方的に言われっぱなしだったと言う。


転職のことだけじゃなくて、

家を買いたい奥さんといずれは同居を考えていたポルコの

意見の食い違いの話まで彼らの耳に入っていた。


「お父さんなんか最初から目が三角なんだよ。

『転職と同居の話は受け入れられない。

自分の力を試したいって、そんなのは結婚前にすることだ。

おまえにはもうそういう道は残ってないんだよ』

って言われちゃった」


そんなに辛いことを言われたんだ。。。


でもポルコは言われた内容よりも

取りつく島のなさに打ちのめされたみたい。


このまま強引に話を進めたら、

一生子どもたちに会えなくなるって。


だから、俺がどちらの話も折れることにしたって。


「しんどかったね」

と、ポルコをぎゅっと抱きしめた。


「俺、いつも自分のことばっかりで・・・

ジーナを期待させることばかり言って、

申し訳なくて・・・」


言葉を詰まらせて、手の甲を目の上に置いた。

ポルコが泣くのを見るのは初めてだった。


「ううん、大丈夫だよ。大丈夫だよ」


ここ数日のしんどい日々を

一人で耐えなくちゃいけなかったとしたら

そっちのほうが私は辛い。


「もうジーナに待ってって言えなくなっちゃった」


そう言うと、

ポルコは声を上げて泣き出した。


「3年もいいかげんな付き合い方してきて、

ジーナの人生を台無しにしちゃった・・・」


そんなふうに思わないで。


私と一緒にいられるようになるために、

転職の話も頑張って進めようとしてくれたし、

奥さんや両親とも正面から向き合ったんだよね。


そこまでしてもらえて

私は十分幸せな女だよ。


「はー、つまんない人生になっちゃうな。

好きでもない奥さんと暮らして、

買いたくもない家買って・・・」


そんなポルコの自暴自棄な言葉に

胸が締め付けられた。


ポルコにつまらない人生なんて。

It's unacceptable that he'll make for less of a life.


別れるためには、もう会わないほうがいいって

ポルコも私も分かってた。


でも、それを考えると涙が止まらない。


メールはするとか

たまにご飯を食べに行くとか

そんなんじゃ足りない。


「会うのを止めよう」って、どうしても言えなかった。


結局、

いつまでも泣き止めない私に

「ジーナが平気になるまで」

とポルコが言ってくれた。


「その代り、約束して。

俺の知らないところでいいから、

自分の幸せをちゃんと探すこと」

と付け加えて。


また、同じところに戻ってきちゃった。

バカなのは分かってる。


でも、

転職はダメになったけど、

次は起業の話で盛り上がって、

ポルコは簿記を勉強して

私はイラストレータを勉強する、なんて

夢の話をする時間が戻ってきて、

ようやく私の涙も止まった。




はー、昨日はいっぱい泣いた。


ポルコも泣いた。


「もうジーナに待ってって言えない」

って。


初めてポルコから手を離そうとした。


それがひどく辛くて・・・

私は離せなかった。

I could'nt let go.


あれだけ自分から離そうともがいてたのにね。


今朝、出勤前のポルコから電話があった。

メールじゃなく電話はめずらしい。

昨日奥さんの父親に会うと言ってた。

重い声のトーンから、
いい方向に進まなかったのが分かった。

転職の話にも動きがあったみたい。

詳しい資料が手に入ったらしくて、
自分の父親に見てもらったと言った。

「ジーナに謝らなきゃいけないかもしれない」

どちらのことを言ってるのか分からなかったけど、
いろいろ話してる時間がない。

とりあえず明日会う約束をした。

「ごめん・・・」
というポルコの声が泣き出してしまいそうで、
それがすごく怖かった。

途中でエレベータに乗ったみたいで、
電話の声は途切れ途切れに。

「大丈夫?」と聞きたかったけど、
「大丈夫、大丈夫だよ」とだけ伝えた。

離婚の話がなくなっても、
転職の話がなくなっても、
私は大丈夫だから。
I'm alright.

大切な人がつらい時間を過ごしてるのが一番つらいね。
昨日は一睡もできなかった。
I did'nt get a wink of a sleep last night.

こんなこと、久しぶり。
5年ぶりくらい。

昨日の夜、ポルコから「相談したいことがある」とメールが来て、待ち合わせのファミリーレストランに向かった。

メールの最後にあった「重い話」という言葉が気になって、不安な気持ち紛らわすためにKANの「愛は勝つ」を聴きながら。

先に駐車場で待っていたポルコは心なしか少し疲れた顔。

席に着くと、「何から話そう。いろいろありすぎて・・・」とつぶやいた。

先週は私が出張続きで会えなかったけど、メールでちょこちょこ状況は聞いていた。

ゴールデンウィーク明けに、私たちが転職したいねと言っていた会社の社長から呼び出されたポルコは、事業を継承してほしいという正式なオファーを受けていた。

地元の小さな会社だし、今の社長も一度は自分の代で廃業するつもりで規模を縮小してきていたから、昔ほど業績もいいわけじゃない。

その話を聞いたあと、ポルコは自分の父親に相談してた。

「まだ周りを説得するだけの材料がないから、焦って決めなくてもいいんじゃないか」と言われたらしいけど、否定されたり止められたりはしなかったって。

「だんだん俺に似てくるなぁ」とも言われたらしい。

ポルコは父親が理解してくれれば、強引に話を進めるつもりだと言う。

ただ、予想していた通り、奥さんに話をしたら大喧嘩になったみたい。

短い期間にいろいろありすぎて、ポルコは曜日が感覚がなくなってて、話は行きつ戻りつ。

そしてふいに「・・・で、それまでは奥さんが家にいたんだけど」という言葉が耳に入ってきた。

そこからが、まだ私が知らない話だった。

奥さんは「落ち着いて考えたい」と言って、娘2人を連れて実家に帰っているらしかった。

奥さんのほうから「話がしたい」と連絡が来て、土曜日と日曜日に会って話したけど、両方とも喧嘩になってしまったって。

二人の間では、離婚する方向で話が進んでる。

転職の話が引き金にはなったけど、それぞれが描いていた人生設計が違っていたことが根底にあると、お互いが初めてはっきりと認識したという。

初めて聞くポルコと奥さんと子ども達の話。
ちゃんとお父さんしてたんだなぁ、とちょっと感心してしまった。

「俺は一度失敗することになるけど、将来のビジョンを共有することが大事だって分かったことが、この7年間で一番の収穫。
ジーナとはちゃんと共有していきたいと思ってる」

ポルコがそんな話をし出した時、店内にオルゴールバージョンの「愛は勝つ」が流れた。

不思議なタイミング。

背中をポンポンとされた気がした。

唯一の気がかりが子どものことだというポルコは、これからのプロセスも時間をかけるつもりでいる。

ポルコの奥さんは、綺麗で女らしくて、家事も子育てもきちんとこなせて、私みたいに仕事に生活を引っ張られて、家計簿さえ付けられない女とは違う。

でも今は、これまでの自分を全部否定された気持ちになって怒り悲しんでる。

ポルコは、「今までお互いを否定することばかり言い合ってたけど、相手を肯定することから始めないとな」と、少し頭の整理がついたような顔になった。

それを見て、私も少しホッとした。

おやすみを言い合って、それぞれの車に乗って、自分のアパートに向かう道すがら、何の涙ともつかない涙が込み上げてきた。

これで良かったのかな。
私がポルコと出会わなければ良かったのかな。。。

今の私には、みんなの痛みが少しでも小さくなることを願うしかできない。