前回の続きです。
さて、授業はどうなったのでしょうか・・・
では、その前に、この「道徳」の授業で、22ある「教えなければならない価値」の中から、「家族愛」を新人教師の岡尾先生が、何故選んだのか、というところから見て行きましょう。
岡尾先生は、授業の前に、指導内容を確認するため、校長室を訪ねました。
「お母さんの、子どもに対する気持ち・思い、無償の愛を考えさせたい」と岡尾先生。
校長先生は、「家族を大事にしようという気持ち、心情を育てるとか、多分そうなるよね。」と言いました。
話し合いの結果、今回の授業では、「母親の"無償の愛"を通じて、家族愛について考える」ことにしました。
さあ、授業が始まりました。
岡尾先生は、「お母さんの請求書」が掲載されたプリントを配り、朗読しました。
その後、「お母さんは、どんな気持ちで、たかしに請求書を渡したか?」
お母さんの気持ちになって考えてもらい、プリントに書くよう、言いました。
その後、子どもたちからの発表です。
「私は、たかしに、いろんなことをしている。それでも、たかしには、お金をもらってないよ。」
「私の宝物は、たかしだから、お金なんてもらわないよ。」
「お金はいらないから、そのかわり、たかしの成長を見せてね。」
と子どもたち。
結果、『家族には、お金を求めないのが当然だ』といった意見が、大勢を占めました。
ところが・・・
ひとりの男の子が、異なる意見を口にしました。
「子どもっていいな、何かえらいことをすると、お金をもらえるから、私も子どもがいいな」と発表しました。
教室中が、大爆笑になりました。
手元のプリントには、「私は0円なのよ。お母さんの気持ちになってみなさいよ。せっかく家事とかをしているのに。」とも書かれていました。
「お母さんは、家事に対して、お金をもらいたいのでは?」という、これまでにない意見でした。
ざわつく子どもたちに、岡尾先生は、「でも、お母さんは、0円の請求書を渡したわけじゃん?お金が欲しい、いいなと思うんだったら・・・」
そこで、他の子どもが、「たしかに、1円、10円、100円でも書いて渡せばいい。」と。
先生は、「だよねえ。」と言い・・・