土佐寒蘭「日光」の新芽







 高知県宿毛市の西谷という所で産する寒蘭には、新芽がクリーム色にあがり、黄色や桃色の花を咲かせる一群があります。


 昭和の中頃、この「西谷物」の寒蘭が盛んに掘り出され、高価に取り引きされていました。 


 この画像の「日光」は、「西谷物」の桃色花の最高峰として君臨し、長く寒蘭界を牽引していました。


 今では手頃な価格で手に入れることができるようになりましたが、当時もしこのくらいの株立ちだったら、高級車が余裕で買えたことでしょう。 


 さて、今年はきれいなクリーム色の新芽が上がってくれて、鑑賞にも耐えられるレベルとなりました。


 一方、今年の梅雨はいきなり酷暑となって、新芽ごと真っ黒になって枯死した株が数鉢ありました。


 寒蘭は(春蘭もですが)少しでも新芽や根が黒くなってきたらほぼ再起不能の重症で、もったいないからといって大切に棚に残しておくと他の鉢にも伝染してしまうことがあります。 


 残念ですが、病症が出た蘭は処分するしかありません。 


 年々暑さにやられる蘭が増えてきている気がするのは、これも地球温暖化の影響なのでしょうか。


 これまでよりももっと風通しをよくして涼しくする工夫が必要になっています。