術後録(21)下痢止めの減薬 | 潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎歴30年目で大腸全摘した人のブログです。

手術後も潰瘍性大腸炎の薬が必要になるとは思っていませんでした。
潰瘍性大腸炎さん、いつになったらわたしと別れてくれますか?

 

清潔なトイレのイラスト

*排泄に関する記述がありますのでご注意ください。


潰瘍性大腸炎で大腸全摘した私は、毎日ロペミン(下痢止め薬)を飲んでいる。

 

手術直後はどんなにたくさん下痢止めを服用してもまったく効いてる気がしなかったが、やがてアヘンチンキを止め、ロペミンを1日3回から2回に減らし、長い期間を経て、現在はロペミン1日1回で落ち着いている。

 

 

ロペミンを朝夕2回から朝1回に減らすまでには紆余曲折があった。

 

昨年末に「ロペミンを減らしたい」と言ったのは私だ。理由は腸の張りが苦しかったから。そして、たまたま飲み忘れた日も1日の排便回数に変化を感じられなかったから。


主治医は自分で調節していいよと言ったが、ロペミンを減らすと便が下痢に近くなった。1日2回飲んでいたときは軟便だったのに、1日1回にすると便の水分量が増えた。

 

下痢が増えると肛門がヒリヒリする。だからたまらず服用を2回に戻したときもある。私はこれを、肛門に油性クリーム*1 を塗ることで乗り切った。

 

新型コロナウイルス感染症にかかったときも一時的に下痢の回数が増えた。このときもロペミンを2回飲んだ。発熱ですでに脱水になっていたから、これ以上状態を悪化させてはまずいと思ったから。

 

最終的に、私は約2ヶ月かけてロペミン1回に慣れた。

 

 

ロペミンを1回に減らしたメリットは大きいと感じている。

  1. 腸の張りが減った
  2. ガスが減った
  3. トイレの汚れが減った

 

1、ロペミンを1日2回飲んでいたときはお腹の膨張をよく感じた。横になるとさらに激しく、落ち着かなかった。

 

これはロペミンの副作用にある腹部膨満感だったのだろう。服用を1回に減らしたら、この副作用が出なくなった。

 

2、ロペミンを1日2回飲んでいたときはお腹にガスがよくたまった。このガスが排便中によく出て困った。排便中だと便とガスが同時に出るせいで音がブフォフォッと大きいのだ。外出先のトイレでは人に聞かれないか気になった。腸にガスが溜まったままは苦しく、ベッドでうつ伏せになってガスの排出を促す必要もあった。

 

お腹にガスが溜まること(鼓腸)もロペミンの副作用の一つ。これも、服用を1回にしたら減った。

 

3、ロペミンを1日2回飲んでいたときは、上記2のガスのせいでトイレが汚れた。直腸と回腸嚢(かいちょうのう)*2 の構造上の違いなのか、手術前に比べてガスの勢いがまるで違う。膨らんでいる風船の口を急に開けたときのように、勢いよく噴射するのだ。便と一緒に。排泄物が便器の内側いっぱいに飛び散る。この惨状は実物を見ないと伝わらないと思うが、さすがに写真掲載はできない。私は大腸を切った影響をここにも強く感じた。トイレ掃除が大変だった。

 

これも、ロペミンの服用回数を1回にしたらマシになった。排便中のガスが減り、トイレの汚れ方が軽くなった。おかげでトイレ掃除のあとの綺麗な状態が以前よりも長く続く。これが私の生活満足度を一番上げた。

 

 

以前、私が読んだ潰瘍性大腸炎の手術に関する記述には、こんなことが書いてあった。


〜手術をすると薬が不要になります。(下痢止めが必要な方もいます。)〜

 

私は下痢止めが必要な人だった。


でも、3年でロペミン1カプセルでコントロールできるようになったのだから、あと3年も経てばロペミンなしで生活できているかも。

 

いまはそんなふうに思っている。



*1: 肛門周囲の皮膚の保護と切れ痔予防のために油性クリーム(ボラソフトと馬油)を使用。後日、紹介記事を投稿予定。


*2: 回腸嚢は、小腸の回腸部分でつくられた袋状の部分。通常の人間の身体では直腸と肛門がつながっている。一方、大腸全摘した人の身体では回腸嚢が肛門とつながっている(永久人工肛門の場合は除く)。